この夏、地球規模の干ばつが起きています。
アフリカ、ヨーロッパ、アメリカ、中国などなど、とても他人事ではありません。
特にヨーロッパでは、過去500年で最も酷い干ばつと言われていますから、大変です。
その一方で、パキスタンでは大洪水が、、、。
中国最大の淡水湖であるポーヤン湖も、干上がっています。
ポーヤン湖は、ソデグロヅル(下写真)やクロヅル、コウノトリ、ヘラサギなどの
水鳥にとっては重要な越冬地でしたが、長江上流に建設された三峡ダムによって、
近年は水量が少なくなっていました。
そこに干ばつですから、動物たちも命懸けです。
干ばつが進むと、やがて砂漠化が起こります。
世界最大のサハラ砂漠は、昔(5,000年前)は湖や川もある緑豊かな台地で、多くの
野生動物たちもいました。
生活に余裕があったからでしょうか。
そこに住む古代人(新石器時代)は、動物たちを描いた壁画を幾つも残しました。
ところが、地球の自転軸が回転してしまったことで、雨の降る地域が南に移動して
しまい、干ばつ(砂漠化)が起きたと言われています。
さて、砂漠に生きる動物として有名なのはラクダです。
ラクダは哺乳類ですが、体温を一定に保つ恒温動物ではないことは、以前、ご紹介
しました。
ラクダは、体温を一定にしないことでエネルギーを節約しているのです。
ラクダはコブがあるので、水の少ない砂漠でも生きていけます。
だからと言って、コブの中に水が入っているわけではありません。
コブは真っ白な皮下脂肪の塊で、ラクダの生命活動に必要な代謝の材料として使われ、
エネルギーや水、CO2などを作り出します。
水が飲めない環境では、ラクダの得る水の大半は代謝で生じる水と言われています。
さらに50kgにもなる背中のコブは、断熱材として砂漠の強烈な日差しから、ラクダ
を守ってくれるのです。