9月は「がん征圧月間」です。
日本対がん協会は昭和35年から、がんとその予防についての正しい知識の徹底と早期発見、
早期治療の普及に、全国の組織をあげて取り組んでいます。
2年前(2015年)の予測ですが、厚労省は3人に2人ががんに罹り、2人に 1人ががんで死亡
すると発表しています。
現在は、もっとリスクが高くなっているかも知れません。
今年6月、フリーキャスターK.Mさんが乳がんで亡くなったという、衝撃のニュースがあり
ました。
長生きすることだけが人生の目的ではないとしても、あまりにも若すぎますよね。
それにしても人や動物はどうして、「がん」になるのでしょうか?
すべての生き物の体は、細胞で構成されています。
その細胞が無秩序に分裂を繰り返えすようになった病気を「がん」
と言います。
無秩序に分裂・増殖するので異常な細胞が作られ、時には
「しこり」として触れられるようになります。
この「しこり」のことを「腫瘍」といい、良性のものと悪性のものがあります。
その中で、悪性のものを「がん」と言います。
がんのスタートは遺伝暗号のエラーですが、その原因は一つではなく、発がん性物質や
放射線、ウイルス、個人の免疫力など様々です。
人の発がん性物質としては「タバコ」が有名で、すべてのがんの30%
に関係しているとも言われています。
タバコの有害物質は細胞内のDNA障害を引き起こすので、生涯
喫煙量とがん細胞の遺伝子変異数には相関があります。
国立がんセンターの調査によると、毎日タバコ1箱を喫煙し続けると
1年で肺には約150個の遺伝子変異が蓄積することが明らかになっています。
イヌの腫瘍の中で最も発生頻度の高いのは乳腺腫瘍で、良性と悪性
の割合は、ほぼ50%ずつです。
悪性の50%は、肺などへの転移率の高いものです。
避妊手術をしていないメスでは、4頭に1頭の割合で発症すると言われており、初回発情前に
避妊すると、200頭に1頭の割合になるそうですから、繁殖目的のない場合は、避妊手術を
お薦めします。
一方、ネコの乳腺腫瘍はイヌよりも発症率は低いものの、80%が悪性と言われており、悪性
の場合は再発率・転移率も高くなります。
ネコで乳腺腫瘍を疑う場合は、肺への転移がないかレントゲンでの検査が必要になります。
避妊手術を受けていないメスの方が発症率は高くなりますが、避妊済みであっても腫瘍の
再発率は、減少しないようです。
大型動物の場合は、DNAの複製に何か特別の「がん(腫瘍)を防ぐ仕組み」が働いている
のか、小型の動物に比べると、がんの発症率は低くなっています。
性成熟までの期間が長いことや、生涯の産子数が少ないことなど、子孫を残すことと何か
関係があるような。
がんは、発がん性物質のなかった恐竜の時代や古代人にも見られたそうですから、現代社会
特有の病気でもありません。
細胞分裂やDNAの複製など、生物が成長していくところには、がん
の可能性が常にあるということを理解しながら、私たちは生きて
いかなければならないのです。
生まれたことには、きっと意味があるのですから。
「私がこの世に生れてきたのは 私でなければできない仕事が何かひとつ この世に
あるからなのだ」(相田みつをのことばより)