腸管出血性大腸菌O157

腸管出血性大腸菌O157による食中毒で、3歳の子どもさんが亡くなるという痛ましい事件があり

ました。

O157とは、どのようなものなのでしょうか。

 

 

 

 

昭和57年(1982年)、アメリカのオレゴン州とミシガン州で、ハンバーガーによる集団食中毒

事件があり、患者の便から腸管出血性大腸菌O157が初めて発見されました。

日本では昭和59年( 1984年)に、東京都の小学校で集団発生したのが最初で、その後、世界中

で見つかっています。

ちなみに大腸菌はO抗原とH抗原を持つものがあり、O抗原を持つ大腸菌の中で、157番目に発見

されたので、O157と呼ばれています。

 

 

腸管出血性大腸菌O157は、ヒツジや牛などの反芻動物が保菌して

いるため、これらの糞便が食肉を汚染し、感染源になる例が多く

見られます。

また保菌率は低いものの、と畜場に搬入されるの糞便からも検出

されることがあります。

 

 

 

 

腸管出血性大腸菌は「ベロ毒素」という毒素を産生し、出血性腸炎溶血性尿毒症症候群

(HUS)を引き起こします。

腸管出血性大腸菌はO157が有名ですが、他にもO111やO26など多くの血清型があります。

 

 

菌に感染すると2~8日の潜伏期をおいて発症し、水様性の下痢

発熱が見られ、重症化すると出血性大腸炎となります。

さらに、重症化した人の6~7%は2週間以内にHUSや脳症などの

重症合併症を起こすと言われています。

 

特に、免疫力の低い子どもや高齢者の方はHUSを起こしやすいので、注意が必要です。

 

その一方で、腸管出血性大腸菌に感染していても無症状の人もおり、当然、自覚症状もあり

ませんから、場合によっては食品汚染を起こす可能性もあります。

ですから給食センターの職員は、腸管出血性大腸菌のほか、赤痢やコレラ・サルモネラなど

の検査を月2回実施しています。

 

 

腸管出血性大腸菌による食中毒予防には、の肉やレバーなどを

食べないことです。

肉などは、良く焼いて(75℃1分)食べることが重要です。

そうすることで、菌は死んでしまいます。

 

給食センターでは、焼き物・揚げ物・蒸し物の中心温度が75℃以上になっているか、必ず確認

するようになっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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