今年も、8月15日の終戦記念日がやってきました。
さて昭和18年7月1日、上野動物園を所管していた東京市は府と合併して東京都となり、それ
からまもなくして(1~2か月後)、上野動物園では都長官(現在の都知事)の命令により、
多くの猛獣処分が行われました。
この処分では猛獣(ライオン・トラ・ヒョウ・クマなど)のほか、
毒ヘビ、ニシキヘビ、ゾウ、アメリカバイソン(右写真)など
14種27頭が犠牲となりました。
建前は、空襲に備えての危険防止(猛獣脱出など)のためというものでしたが、実際は国民へ
の警告と戦意昂揚が命令のねらいだったようです。
処分方法については、銃声が住民に不安を与えるという理由から、
毒殺するよう命じられましたが、嗅覚に敏感で、毒エサを食べない
ゾウたちは、やむなく餓死させられることになりました。
(生き餌しか食べないヘビでは、刃物なども使用)
最もおとなしいメスのトンキーは、仙台の動物園が受け入れを承諾したものの、都長官が
許可せず、ほかの2頭のゾウと同様、餓死しました。
同じような動物たちの処分は、上野動物園以外の多くの動物園でも行われという悲しい歴史
もあります。
世界では、未だにイラクやシリアなどで内戦状態が続いており、動物園で飼育されていた
動物たちも銃弾の犠牲になったといいます。
運よく生き残った動物たちも十分なエサが貰えず、一部の動物は餓死寸前のところを保護
されたという嬉しいニュースもありました。
住民自身も満足に食糧がないなか、動物たちのためにエサを持ってくる人もいたそうです
から、頭が下がります。
あらためて、平和のありがたさを再認識しています。