今年はウサギ年ですが、日本には北海道・沖縄を除いてニホンノウサギが生息
しています。
ニホンノウサギはキュウシュウノウサギ、オキノウサギ、トウホクノウサギ、
サドノウサギの4亜種に分類されていますが、その境界は不明瞭です。
キュウシュウノウサギは九州・四国・本州の太平洋側に、オキノウサギは隠岐
諸島に、トウホクノウサギは本州の日本海側に、サドノウサギは佐渡島に生息
すると言われています。
また東北地方や日本海側の積雪地帯に生息するノウサギは、冬季に全身の毛が
白くなり(下写真)、早春になると白い体毛は抜けて、徐々に赤褐色~茶褐色
の体毛が生えてきます。
北海道にも野生のウサギ(エゾユキウサギ:下写真)はいますが、本州以南
のノウサギの亜種ではないことが分かっています。
ノウサギは単独で生活し、植物食(木の葉・木の芽・樹皮など)です。
年に3~5回繁殖し主に2頭出産しますが、特定の巣は作りません。
生まれた子ウサギ(下写真)には毛が生えていて、目も開いています。
天敵からのリスクを避けるため、ノウサギの授乳は1日に1~2回で、授乳時間
も1回に1~2分と非常に短時間です。
子ウサギは、草むらなどで母ウサギが来るのをじっと待つしかありません。
そのため、母乳の乳脂肪とタンパク質の割合は、他の動物と比べて高くなって
います(乳脂肪:16%、タンパク質:11%)
他にも、エゾナキウサギ(下写真)が北海道の大雪山系や日高山脈などに生息
しています。
また鹿児島県の奄美大島と徳之島には、国の特別天然記念物に指定されている
アマミノクロウサギが生息しています。