今月8月6日、インド洋のモーリシャス島沖で商船三井が運航する大型貨物船が座礁し、燃料油
が大量に流出しました。
モーリシャス島周辺の生態系への深刻な影響が心配されています。
中でも心配されているのが、「海のゆりかご」とも言われているマングローブ林です。
マングローブは根から水分や養分を吸収しているので、油に含まれる有害物質も吸収して
しまう可能性があるからです。
コロナ禍とは言え、世界の英知を集結して、元通りの美しい海に戻ることを祈るばかりです。
かつてモーリシャス島には、ドードーという鳥がいましたが、今から340年ほど前に絶滅しま
した。
ルイス・キャロルの児童小説「不思議の国のアリス」にも登場する鳥ですから、ご存知の方も
多いと思います。
ドードーはハト目ドードー科に分類され、大型のシチメンチョウほどの大きさがありました。
体重は20~25kgで、翼は退化して飛ぶことはできず、歩くのも遅かったようです。
野生動物にも関わらず警戒心もなく、人を恐れることもありませんでした。
外敵のいない安全な無人島で、独自の進化をしてきたから仕方ありません。
地上に巣を作り、卵も1個産むだけでしたから、島に移入してきたイヌやブタ、ネズミなどに
卵やヒナを食い荒らされました。
堅くて不味い肉にも関わらず乱獲され、その肉はヨーロッパなどに輸出されました。
今回の事故で、改めて人類によって絶滅させられたドードーのことを思い出しました。