イギリスの科学雑誌ネイチャー・クライメート・チェンジに衝撃的な論文が掲載されたとの
こと。
「気候変動によりホッキョクグマが2100年までに、ほぼ絶滅する」というものです。
原因は地球温暖化による海氷の減少で、主食のアザラシが獲れない絶食期間が長くなるからと
考えられており、他にも、有害化学物質による大気や水中の汚染などもあります。
体重500kgのホッキョクグマ(オス)は、1日に12,000kcalが必要とされ、アザラシに換算する
と1週間に1頭を食べる計算になるようです。
ホッキョクグマは、北アメリカ北部やユーラシア大陸北部などの北極圏に生息する地上最大の
肉食獣で、アザラシの他にもセイウチや魚、水鳥なども食べます。
ホッキョクグマは寒冷な気候への適応から頭部は小さく、保温性の高い毛皮や分厚い皮下脂肪
に覆われています。
また、泳ぎも得意なことから首は長く、体は流線型をしています。
白い体毛を持つ他の哺乳類の場合、体毛は光を通しませんが、ホッキョクグマの体毛は内部が
空洞になって光を透過し、皮膚にまで光が届くようになっていると同時に、その熱は容易には
失われないそうです。
ところで動物園などでは、プールに生える藻がホッキョクグマの空洞になった体毛内で繁殖
し、ミドリ色になった個体(別名ミドリグマ)を見かけることもあります。
温暖化の影響はホッキョクグマの体の大きさにも影響を及ぼしており、体が小型化している
という報告もあります。
寒冷地に生息する動物は、一般的に体を大きくすることで表面積を小さくして、体から熱が
逃げないようにしています(下写真:ジャコウウシ)
逆に北極では、温暖化によって熱を逃がしやすくするために、ホッキョクグマの小型化が進ん
でいるのかも知れません。
更に深刻なのは、ホッキョクグマとヒグマとの交雑種の存在です。
ホッキョクグマのような魅力的な動物が、この地球上から姿を消すことがないよう願うばかり
です。