蚊が媒介 Ⅰ 日本脳炎

今年も、蚊が活発に活動する季節になりました。

特にメスの蚊は、産卵のための栄養源として血を吸い始めます。

メスも必死なのは分かりますが、やはり蚊に刺されるのはイヤなものです。


 

 

 

 

蚊が媒介する病気としては、日本脳炎があります。

主にコガタアカイエカが媒介し、極東から東南アジア、南アジアにかけて広く分布しています

が、近年はアジア以外にも分布が広がり、世界では毎年3~4万人が発症しています。


 

 

 

 

日本でも大流行した時期がありましたが、ワクチン接種により流行は抑えられ、毎年10名以下

となっています。


 

 

 

 

さて、日本脳炎ウイルスを増幅させる最適な動物は「」です。

大人の豚は、日本脳炎ウイルスに感染しても死ぬことはありませんが、免疫を持たない妊娠豚

では死産や流産の原因になり、種雄豚では交尾欲の減少や精液性状に異常が見られることが

あります。

ですから種雄豚や繁殖豚にも、日本脳炎ワクチン(豚用ワクチン)を接種しています。

 

 

 

 

 

豚の体内で日本脳炎ウイルスが増えると、ウイルスは血液中に出てきます。

そうすると、日本脳炎ウイルスを持った1匹の豚から1万匹の蚊に感染させることができると

考えられています。

そのウイルスを持った蚊が、人を吸血することで日本脳炎に感染するわけですが、大多数は

無症状で経過し、発症する人は100~1,000人に1人と言われています。

発症率は低いものの、日本脳炎ウイルスによって破壊された脳細胞の修復は困難ですから、

やはりワクチンによる予防が何よりも重要です。

 

日本脳炎は「流行性脳炎」として家畜の法定伝染病にも指定されており、も感染すると脳炎

を起こします。

競走馬では育成段階で2回、その後毎年2回の補強接種(馬用ワクチン)が行われています。

 

 

 

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