蚊が媒介する病気で有名なのが、マラリアです。
亜熱帯から熱帯地域を中心とした世界的に重要な感染症で、世界三大感染症の一つと言われて
います（他の二つは結核とHIV）
マラリアはハマダラカが媒介し、感染すると高熱や頭痛のほか、悪性の場合は意識障害や腎
不全を起こし、死亡します。
現在でも100か国ほどで流行が見られ、WHOの統計では年間2億人以上が感染し、40万人ほどが
死亡しているそうです。
人に感染して問題となるのは以下の4種ですが、近年、サル由来のマラリア原虫による人への
感染も明らかになっています。
①熱帯熱マラリア原虫 ②三日熱マラリア原虫 ③卵型マラリア原虫 ④四日熱マラリア
マラリアは、マラリア原虫が赤血球内に寄生（感染）することによって発症しますが、そも
そも原虫とは単細胞微生物で、病原性を持つものや非病原性のものがあり、人に感染症を
起こす原虫はマラリアの他、赤痢アメーバやトキソプラズマ、トリコモナスなどがあります。
ところで日本では、土着マラリアによると思われる感染症が古くから知られており、奈良時代
や平安時代、安土桃山時代に書かれた本の中に、「瘧（おこり）」や「えやみ・わらわやみ」
として記載されているそうです。
一説によれば、高熱を出して死亡したとされる平清盛の死因も、土着マラリアではないかと
言われていますが、詳細は不明です。
他にも、一休さん（臨済宗の僧）などがマラリアで死亡したと言われています。
人以外の動物では、鶏マラリアが有名です。
人と同じように蚊が媒介する鶏マラリア原虫は現在、30種ほどが知られていますが、人に感染
するマラリア原虫とは別物です。
鶏やハトの他、動物園のペンギンなどにも感染し、食欲不振・貧血・衰弱などの症状が見られ
ます。
マラリア治療薬には、アルテメテル.メファントリン、プリマキン、アトバコン.プログアニル
などが使われるようです。
他にも、アメリカのトランプ大統領が新型コロナウィルス感染予防として飲んでいたとされる
ヒドロキシクロロキンなどもあります。
