昨年9月、岐阜県で国内26年ぶりに豚コレラが確認されてから、1年が過ぎました。
その間、収束どころか6府県に感染が広がり、今年9月には、埼玉県でも感染が確認されまし
た。
国は当初、豚肉輸出への影響などから、ワクチン接種には消極的でしたが、埼玉での発生を
受けて、限定的ながら豚コレラワクチン接種を決めました。
ただ、接種に伴う様々な手続きもあり、本格実施は数か月先になるようですから、それまでに
更なる感染拡大が起こらないことを願うだけです。
豚コレラは豚やイノシシ特有の病気で、ウイルスの感染力が強く、一般的には致死率の高い
伝染病ですが、人に感染することはないので、万が一にも豚コレラに感染した豚やイノシシ
の肉・内臓などを食べても、人体に影響はないとされています。
また、ワクチン接種された豚肉を食べても、出荷までには豚の体内からなくなるので、人体
には害はないと言われています。
さて、今回の豚コレラについて、感染拡大の主犯とされているのが、野生のイノシシです。
豚コレラの致死率は一般的には高いものの、今回の豚コレラは感染しても直ぐには死なない
ことが多く、そのことがイノシシによる感染拡大につながったと考えられています。
また、ワクチンを豚に接種しても、その予防効果には個体差があり、豚コレラの感染を完全
に防げるものでもありません。
国は今年3月、ドイツ製「えさ型ワクチン」の散布に踏み切りました。
そのドイツでは、イノシシの豚コレラ撲滅に成功していたからですが、ドイツと日本では
地形的な条件が余りにも違い過ぎます。
臭いなどの苦情が多い日本の養豚場は、人里離れた山の中にあることも多く、イノシシ対策
として養豚場の周囲を柵で囲うというのも、どうなのでしょうか。
野ネズミが、死んだイノシシ肉を食べることは十分考えられ、感染源がイノシシだけとは限
りません。
先日、韓国で発生したアフリカ豚コレラは現在、ワクチンもないので、もし日本に侵入でも
したら大変なことになります。