今年の話題から Ⅰ ハンセン病訴訟

日本政府は、2019.6.28の熊本地裁におけるハンセン病家族国家賠償請求訴訟判決に対して

控訴しないという異例の判断をしました。

どのような政治的思惑があったにせよ、家族に寄り添ったものにして欲しいものです。

 

 

 

 

 

ハンセン病は、1873年にノルウエー人医師であったハンセンが「らい菌」を発見したこと

からハンセン病と呼ばれるようになりましたが、人類史上、最も古くから知られ恐れられ

てきた病気の一つです。

 

 

 

 

 

ハンセン病は、らい菌が主に皮膚神経を侵す慢性の感染症ですが、その感染力は弱く

ほとんどの人は、自然の免疫力を持っているようです。

日本の患者の中には、家族に迷惑が掛からないように住み慣れた故郷を離れて放浪する

放浪らい」と呼ばれた人たちもいました。

 

アカデミー賞11部門を獲得した名作中の名作「ベンハー」では、主人公ベン.ハーの母や妹が

昭和の名作「砂の器」では主人公の父親が、また宮崎駿監督の「もののけ姫」でも石火矢衆と

して、それぞれ公式な表現はありませんが、それとなく(分かるように)描かれています。

 

 

 

 

 

ところで、ハンセン病に感染するのは人だけではなく、チンパンジーの他、数種のサルも

感染するようです。

人と同じ霊長類なら感染してもおかしくありませんが、意外な動物として、アルマジロにも

感染します。

 

アルマジロは、らい菌に対する感受性が高いことから、長年、ハンセン病研究に使われて

きました。

らい菌は少し低い温度を好むようで、他の哺乳類よりも体温が低いアルマジロは、らい菌に

とっては都合が良かったのでしょう。

ココノオビアルマジロ(下写真)の繁殖形態は変わっていて、かなりの確率で1卵生双子

以上(主に4つ子)を産むことが知られています。


 

 

 

 

現在では、突然変異で誕生したヌードマウス(下写真)も、らい菌に感染・発症することが

分かったため、主にヌードマウスがハンセン病の研究用に使われています。

ヌードマウス:生まれつき胸腺がなく、体毛もないマウス

 

 

 

 

 

 

 

 

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