神奈川県の大磯町で起きた、大量の給食残食事案。
しかも食べざかりの中学生が、明らかに異常です。
お腹を空かして、午後の授業やクラブ活動などは大丈夫だったので
しょうか。
生徒の食べ残しだけが取り上げられましたが、そもそも先生たちは、
残さず食べていたのでしょうか。
また生徒が食べる前には、校長先生や教頭先生が必ず検食をしていたはずですが、全部食べて
いたのでしょうか。
それともいつものことなので、先生も生徒も何らかの自衛策?を講じていたのでしょうか。
多くの疑問が湧いてしまいます。
今回の件は味だけの問題ではなく、冷たさ、異物混入などなど、複合的な要因が重なり、
これほどの残食につながったと思われます。
給食センターで、残食を減らす取り組みにも関わった者としては、給食業者だけの責任でも
ないような気がします
業者にとっては便利なプラスチックトレイですが、これでは栄養士
も、子どもたちが大好きなカレーやシチュー、鶏飯(写真)などの
温かいスープ系の献立は、作りたくても作れなかったと思います。
限られた予算内で、給食摂取基準に沿って作るとなると、献立を考えるだけでも一苦労
だったはずです。
ただ「美味しければいい」「子どもたちが好きならいい」というものではないのです。
給食時間は単なるランチタイムではなく、「食」を学ぶ時間なのですから。
給食に異物混入があった学校・クラスでは、先生も生徒も慎重に食べることになります。
ただでさえ、中学校の給食時間は短いのに。
担任の先生によっては、「気を付けて食べなさい~」と念を入れたりして。
(給食の異物については、次回あらためてお話します)
給食とは本来、何の心配もなく安心して食べるものでなければなりません。
ですから調理現場の人たちは、どこの学校・給食センター・民間業者でも、一生懸命給食を
作っているはずです。
現場だけに責任を押し付けるのは、間違いです。
ところで、動物の世界には給食はありません。
また子どもが、親の与えるエサを拒否することもありません。
人間から見て、たとえ食べられないものであっても、親が与えるものは安心して食べられる
ものと信じて、食べてしまいます。
池や湖などに浮き巣を作り、小魚やエビなどを主食にして子育て
をします。
観察によると、親鳥は時々、抜け落ちた羽をヒナに与えますが、ヒナは疑うことなく、安心
して羽を食べます。
親が、危険なものなど与えるはずはないとDNAに刻まれているからでしょう。
親とは、そういう存在ですから。
私たちも母親が作ってくれるごはんを、用心しながら心配しながら食べるなんて、あり得ま
せんよね。
それにしても、カイツブリの親鳥は、どうして羽をヒナに与えるのでしょうか。
鳥類では、一度飲み込んだエサの中で消化できないもの(骨・羽など)を吐き戻すことが
小魚やエビなどを主食とするカイツブリも、意図的に羽を飲み
込んで溜ったペリットを吐きだしています。
ヒナの吐き出すタイミングを見図ってか、親鳥は敢えて消化できない羽を与えています。
何という親子愛でしょう!
ですから動物の世界には、虐待死なんてありません。