今年は春から異例のペースでクマ被害が増加し、4月だけでも全国で11名の人身事故が発生して
います(過去5年間の平均の3倍以上)
今年の特徴は、これまで確認されなかった市街地中心部のスーパー(下写真)・住宅街・学校・
などへの出没が見られたことです。
いわゆる、人間の生活に影響を及ぼすアーバンベア(都市型クマ)です。
本来クマは臆病な性格で、人間に対する警戒心が強い動物ですが、アーバンベアは逆で人間を
恐れません。
過疎化による空き家の増加、管理されない土地の果実(下写真:柿)など、クマを引き寄せる
魅力的なものもあるため、人慣れしやすくなります。
またブナ(下写真)やドングリは、豊作・凶作が1年置きに繰り返されることが多いことから、
豊作※の翌年は、多くのクマたちがエサ不足になります。
※豊作により栄養状態が良くなったメスグマは、冬眠中に出産します。
ブナの実やドングリはシカやイノシシのほか、ニホンザル、リス、ムササビなども食べるので、
体の大きいクマにとってエサ不足は深刻です。
かつて本州にはニホンオオカミ(下写真)がいてシカやイノシシを、北海道にはエゾオオカミ
がいて、シカを適度に間引いてくれていましたが、絶滅した今では、それも期待できません。
森林面積の4割を占めるスギやヒノキの人工林(下写真)は、野生動物たちにとって恵みの森
ではありませんから、エサを求めてクマたちが山を下りてくるのは仕方ありません。
特に、クマによる人身事故が全国最多の秋田県はスギの産地でもあり、人工林の占める割合
が東北6県の中でも最多ですから、人身事故数と何らかの因果関係があるかも知れません。
さらにクマたちは、冬眠に備えて皮下脂肪を蓄えなければなりません。
受精卵を持ったメスが、冬眠中に子どもを産めるかどうかは栄養状態で決まるため、十分な
皮下脂肪のないメスでは、受精卵は着床しません。
ですからメスグマの出産は、森の豊かさを計る指標となるのです。
なお、マレーグマやメガネグマ(下写真)・ナマケグマなど、温かい地方に生息するクマは、
冬眠しません。
クマを市街地に引き寄せないために、個人で出来る対策(下写真)も示されています。
アメリカでは、クマ対策専門家(下写真)が24時間体制で、クマに関する相談を受け付けて
いる州もあるとのこと。
日本でも、専門家を養成する必要があります。
九州では絶滅しましたが、人間とクマとの共存が図られることを願うばかりです。









