STFSで獣医師が死亡

三重県は先月、STFS(重症熱性血小板減少症候群)に感染したネコを治療していた獣医師が

呼吸困難となり、数日後に死亡したと発表しました(ネコはすでに退院したとのこと)

STFSはマダニ(下写真)が媒介する人獣共通感染症で、人を含む殆どの哺乳類に感染すると

考えられています。

現在、日本で発症が確認されているはヒトのほか、ネコ・イヌ・チーター(下写真)です。

 

 

 

 

 

ヒトのSTFSは東アジア(中国・台湾・韓国・ベトナム・日本など)に多く、日本では2013年

にヒトで初めての報告があり、2017年にネコ・イヌ・チーター(動物園)で初めて報告があり

ました。

STFSはウイルス感染症(下図)で、基本的にはウイルスを保有するマダニが吸血する際に感染

しますが、マダニを介さないヒト→ヒト感染も報告されています。

 

 

 

 

 

STFSウイルスは、感染動物の体液(唾液・涙・排泄物・嘔吐物)からも検出され、死亡した

獣医師にはマダニに咬まれたような形跡はなかったものの、ネコの体液からの感染が疑われ、

その後の検査で、STFS感染が確認されています。

ヒトの場合、高齢者は重症化しやすい(死亡した獣医師も高齢)と言われており、症状は発熱

や嘔吐、下痢、白血球や血小板の減少のほか、重症化すると急性脳症や腎障害を起こすことも

あり、ネコでは黄疸が見られることもあります。

日本でも多くの野生動物(シカ・イノシシ・アナグマなど)が感染しているようですが、今の

ところ発症する動物は限られているようです。

 

 

 

 

 

ヒトでは、血液中のSTFSウイルス遺伝子の検出で確定診断をし、抗ウイルス薬(アビガン)の

投与が始まりますが、致死率の高いネコ(約60%)では確定診断されてからでは間に合わない

という指摘もあります(ヒトの致死率は約30%)

特効薬がないため早めの対症療法が必要になり、解熱剤や制吐剤の投与、脱水があれば点滴

重要になります。

地球温暖化により、マダニの活動期間も以前よりは長くなっています。

ネコやイヌでは、定期的なマダニの駆除(下写真はスポットタイプ)をお勧めします。

 

 

 

 

 

なお、現在のところSTFSに対するヒト用ワクチンはありませんが、長崎大学がワクチン開発を

進めているようです。

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