ジュゴンはクジラに似た大型草食獣で、ジュゴン目ジュゴン科ジュゴン属に分類され、
本種のみでジュゴン科ジュゴン属を構成しています。
また古くから、人魚のモデルとも言われています。
ジュゴンの体長は約3m、体重は300~400kgで、インド洋や太平洋などの亜熱帯~熱帯の
浅く温かい海に住んでいます。
主食はアマモなどの海藻で、補助的にゴカイやカニ、ホヤなども食べ、寿命は70年以上と
考えられています。
江戸時代には屋久島でもジュゴンの捕獲例があり、明治時代までは奄美大島~西表島まで
の南西諸島に広く生息していたようです。
現在日本では、沖縄本島東部の沿岸域に少数が確認されており、沖縄はジュゴン生息地の
北限になっています。
またジュゴンは、世界的に絶滅が心配されている動物の一つです。
さて、沖縄のジュゴンについて先日、名護市辺野古の米軍基地建設で環境対策を助言する
防衛省有識者会議の一部委員が、沖縄のジュゴンが2019年に絶滅したという論文をイギ
リスの科学雑誌に投稿しました。
環境省の調査では、沖縄本島周辺の海域でジュゴンのものと思われる海藻の食べ跡が
確認されているそうですが、、、。
ジュゴンのいないことが、米軍基地建設を進めるの日本政府にとっては都合がいいよう
に思えますが、防衛相は「研究者個人の研究活動として執筆されたもの」で、防衛省の
有識者会議とは関係がないことを言っています。
相変わらず、辺野古の米軍基地建設が環境にも配慮されていると言いたいのでしょうが、
軍事基地と環境保全はトレードオフでしかありません。
ところで、三重県の鳥羽水族館では国内で唯一、ジュゴンを見ることができます。
セレナと名付けられたメスのジュゴンは、1987年にフィリピンのアキノ大統領から日比
友好の印として贈られたものです。
なお、ジュゴンは神経質(音や光に敏感)で、飼育は非常に難しいと言われています。