今年の土用の丑の日は、7月30日だそうです。
世界には約20種類ほどのウナギが、日本にはニホンウナギとオオウナギの2種が、生息して
います。
現在、私たちが食べているウナギの大部分は、北海道を除く日本全国に生息しているニホン
ウナギです。
今では、世界的に食べられているウナギですが、中でも日本人は、
世界のウナギ生産量の約70%を消費するほどの、ウナギ好きです。
事実、縄文時代の遺跡からウナギの骨が出土していますから、
およそ3,000~4,000年前には、ウナギを食べていたことになり
ます。
日本では、土用の丑の日に「ウナギ」を食べる習慣がありますが、本来のウナギの旬は、初秋
から冬にかけてです。
ウナギが広く食べられるようになったのは、日本では江戸時代になってからと言われており、
その発案者については平賀源内という説もありますが、実際のところは、はっきりしていま
せん。
江戸時代、ウナギは最も庶民に愛された外食の一つと言われています。
夏の土用の時期は夏バテしやすい時期であることから、昔から
蜆(しじみ)や卵など、精のつくものを食べる習慣がありました。
ウナギは栄養価も高く、当時から「精のつくもの」の代表格と
なっていました。
当初は江戸でも、ウナギをぶつ切りにして串に刺し焼いていましたが、濃い口醤油からタレが
生まれると、調理方法も変わってきました。
江戸:武士が権威を誇る江戸では、「腹斬り」を思わせる料理法は
縁起が悪いと嫌われたため、背から裂く。
上方:腹から裂く→骨のついたまま串に刺す→タレを付けて焼く
日本人には身近なウナギですが、その生態については、まだまだ不明な点が数多くあります。
1 シラスウナギは河口付近(汽水域)からなぜ、上流に上って行くのか。
2 産卵期のメスは河口ではなく、なぜ、遠く離れた海洋(グアム島近く)で産卵するのか。
3 オスとメスは、広い海洋でどうやって出会うことができるのか。
(磁気や重力の乱れ?・流れの乱れ?・特別な匂い?)
今や絶滅の恐れさえあるウナギですが、日本人の食文化にとっては、なくてはならないもの
です。
最近では、近畿大学がウナギ味の「ナマズ」生産に取り組んでいるようですが、ウナギが
絶滅することなく、これからもウナギと人間が共存できる世界であって欲しいものです。
ところで今から30年ほど前、ある人から天然のウナギ(かば焼き)を貰って食べたことが
あります。
小さめのウナギでしたが、そのおいしかったこと!
今でも忘れられません。