今月7日、群馬県の伊勢崎市で小学生ら12人が四国犬に咬まれるという事件が発生
しました。
(下写真は、実際に子供たちを咬んだ犬ではありません)
四国犬は、主に高知県で飼われてきた犬で柴犬に似ていますが、柴犬よりも体は
大きく精悍さが目立ち、頑固な性格の日本犬と言われています。
長年、猟のパートナーとして仕事をしてきた犬で狩猟本能や闘争心が強いため、
あまりペット化されてきませんでした。
ですから、一般には見かけない犬になります(私も見たことはありません)
また運動量も多く力も強いので、広場などで走らせることができれば理想的ですが、
出来なければ1日2回の散歩(1回1時間以上)は必要とされています。
四国犬は飼い主には忠実(家族全員ではない)ですが、子犬の頃から「しつけ訓練」
を徹底し、主従関係をはっきりさせておくことが重要で、そのことがトラブル防止
にもつながります。
なお、しつけ訓練は他の犬種も同様で、四国犬だけが狂暴で咬みやすいというわけ
ではありません。
その後の報道では、当該犬が法令で義務付けられている年1回の狂犬病予防注射や
市町村への登録をしていないことも分かりました。
違反した場合は、罰金を支払うことになります。
今後、刑法上(過失傷害罪など)や民法上の責任(治療費・通院費・慰謝料など)
も出てくるものと思われます。
群馬県の条例によれば、飼い犬が人を咬んだ時は速やかに知事に届け、その後、
犬を獣医師に検診させなければならないとなっています。
獣医師は犬の性格の変化、視覚・聴覚的な刺激に対する過敏な反応の有無、恐怖
心による興奮、流延(よだれ)、瞳孔の散大及び麻痺などを確認します。
日本における犬の狂犬病発生は1956年が最後で、狂犬病としては、翌1957年に猫
で発生したのが最後になります。
野生動物が狂犬病に感染した場合、行動異常が最も重要な所見となります。
たとえば、夜行性のコウモリやキツネなどが日中に現れる場合は、狂犬病が疑われ
ます。
なお、コウモリの種類によっては春先の日中現れる場合もあるようです。
狂犬病ウイルスは血清学的に単一のウイルスと考えられていましたが、その後の
免疫学的・分子生物学的解析の結果、流行地域や流行宿主などによっては固有の
変異株があることが分かっています。