トコジラミが猛威を振るっています。
来年、パリオリンピックを開催するフランスやお隣の韓国でも。
物流の増加や観光・移民の増加など、グローバル化によって世界中にトコジラミが
持ち込まれているようです。
それにしても、なぜフランスなのか。
フランスは、外国人旅行者数が世界一なのです。
(旅行者の荷物→乗り物(地下鉄など)→他の旅行者→ホテル→他の旅行者)
日本でもインバウンド増加に伴い、トコジラミの駆除に関する相談が増えている
そうですから、注意が必要です。
トコジラミは吸血性の寄生昆虫(下写真)で、成虫の大きさは5~8mmです。
栄養源は血液のみで、夜になると隠れている隙間などから這い出してきます。
日本では江戸時代に入ってきたようで、当時は海外から入ってきた小さい(珍しい)
ものには南京という名前がよく付けられていました(南京豆、南京錠など)
ですから当時は、南京虫と呼ばれていました。
トコジラミは「シラミ」という名前が付いていますがシラミの仲間ではなく、分類では
カメムシの仲間になります。
トコジラミは蚊と同じように、吸血している間に血液の凝固を防ぐため自身の唾液を
注入しています。
その唾液がアレルギー反応を起こすことで、夜も眠れないほどの激しいかゆみに襲われ
るのです。
殺虫剤の普及で1970年代には激減したものの、近年再び増加しています。
成虫は、吸血しなくても1年以上生き延びるそうですから、半端ない生命力です。
一般的な殺虫剤では効果がなく、プロポクスル、メトキサジアゾンなどを有効成分
とするものを使いましょう。
またシーツや衣類などの高温洗浄のほか、部屋の換気、掃除機による吸い取り、ガム
テープで成虫・幼虫・卵をくっつける方法もあります。
個人での対応が難しい場合は、やはり専門業者にお願いするしかありませんが、殺虫剤
の使い方にも注意が必要です。
過去にはエジプトのホテルで、英国人夫妻が死亡する事件が起きています。
隣室のトコジラミ対策として、危険な溶剤で殺虫剤を希釈し燻蒸したことが原因の
ようで、夫妻は隣室から漏れ出したガスを吸い込んだと考えられています。