ファシリティドッグとはセラピードッグの一種で、病院などの特定の施設で個々のニーズ
に合わせた活動をするイヌのことです。
イヌたちは短い時間ではなく多くの時間を患者さんと過ごし、入院中の辛さにそっと寄り
添う「こころのケア」を得意とし、日本では2010年1月、静岡県立こども病院でスタートし
ました。
9月は公益財団法人 「日本対がん協会」が定めた「がん征圧月間」となっており、がんの
予防や早期発見・早期治療などの大切さを広める活動を行っていますが、がんで苦しんで
いるのは大人だけではありません。
一般的に、15歳未満の小児に発生するがんを総称して「小児がん」と呼んでおり、約4割が
白血病、約2割が脳腫瘍と言われています。
小児がんの発生メカニズムについては、未だ解明されていないものも多く、何らかの遺伝
子変異が関与していると考えられており、治療に使われる抗がん剤や放射線などが、子ど
もたちの生殖機能にダメージを与えることも少なくないそうです。
子どもたちは成長期に厳しい治療を受けるため、本人や家族に大きな身体的・精神的負担
がかかります。
ファシリティドッグは子どもたちの部屋を訪問し、体を撫でてもらったり、一緒にボール
遊びをしたり、ベッドで一緒に添い寝することもあります。
時には、手術室まで一緒に行くこともあるとか。
また検査や処置の時など、今まで泣き叫んでいた子どもがファシリティドッグがいること
で、泣き止むこともあるそうですから、何ともすごいことです。
イタリアの小児病院の研究では、血液検査を受ける子どもの注射針による痛みが、ファシ
リティドッグの付き添いで軽減されたとの結果もあります。
医療機関で活動するファシリティドッグについては、その健康管理※が特に重要になりま
すが、現在のところ感染事故はないようです。
※健康管理:定期的なシャンプー、病室に入る時の足ふき、イヌが触れた場所の消毒など