白いシャチが目撃

先月、北海道の知床半島羅臼沖で白いシャチが目撃されましたが、北海道では2019年にも

確認されていたとのこと。

 

 

 

 

 

このシャチが白変種アルビノかは、不明です。

 

白変種とは、色素の減少で毛・皮膚が白くなるものですが、メラニンを作ることはできる

ため、などは黒いことが特徴になります。

 

 

 

 

 

白変種はこれまで、遺伝子の突然変異と考えられていましたが、現在では氷や雪に覆われ

ていた氷河期には白い体は保護色となり、自然界では有利になっていたことから、その後

の進化の過程でその遺伝子が現在まで残っているというが有力になっています。

自然の神秘」を理解してもらう教材として、高い倫理観を持った園長・スタッフの下

飼育されるなら、まだ許されるとしても、ホワイトタイガーのように単なる客寄せの手段

しての飼育や、白変種を固定化するための意図的な近親交配(父娘交配・兄妹交配)、

白変種同士のトラ(ベンガルトラとアムールトラなど)との異種間交配を繰り返すような

やり方は、サーカス小屋ならともかく、動物園などでは許されないものです。

正に、動物園の社会的使命である「種の保存」を放棄することに他なりません。

 

私自身も3度目の動物公園勤務時代、ホワイトタイガー導入の話がありました。

近親交配や異種間交配が繰り返されて作り出された雑種であること、近親交配の影響など

による先天性の心臓疾患があることから導入に反対しましたが、上層部の意向でホワイト

タイガーの導入が決定されました。

3度目の勤務は希望したものではなかったところに、自身の理念・価値観とは対極にある

決定素人に振り回される決定)がなされたことが、1年で異動を希望する一番の理由にも

なりました。

 

 

 

 

 

一方アルビノは、メラニンの生成に関わる遺伝子の欠損のため虹彩に色素がありません。

そのため、目の奥の毛細血管が透けて目が赤く見えるのです。

 

 

 

 

 

ところで、スペインのバルセロナ動物園には英名でスノーフレークと名付けられたオスの

ゴリラが飼育され、世界一有名なゴリラとして人気がありました。


 

 

 

 

スノーフレークは当時、スペインの植民地であった赤道ギニア共和国で捕獲され、1966年

にバルセロナ動物園にやってきました。

その後スノーフレークは皮膚がん亡くなりましたが、遺体の遺伝子検査などが行われた

結果、近親交配で誕生したことが判明しました。

大切な親兄妹・仲間を殺され、遠く離れたバルセロナに連れていかれたスノーフレーク。

亡くなるまでの37年間、彼は生きた教材だったのでしょうか?

それとも、、、。

Pocket
このエントリーをはてなブックマークに追加
はてなブックマーク - 白いシャチが目撃