アメリカザリガニは1927年、食用ガエル(ウシガエル:下右写真)のエサ用として、アメ
リカから輸入されましたが、繁殖力も強く天敵もいないため、日本全国に急増しました。
環境省によると現在、アメリカザリガニは47都道府県に分布し、生態系への被害※が報告
されていること、これまでの啓発活動だけでは被害が抑えられないことなどから、特定外来
生物※に指定し規制することになりました。
早ければ2023年から、輸入や販売、野外に放出することは禁止されます。
ウシガエルも、特定外来生物に指定されています。
※特定外来生物とは、アライグマやカミツキガメなど現在、156種が指定されています。
※水草を住処にする水生昆虫や産卵場所にする魚などに悪影響を及ぼしています。
元々日本には、ニホンザリガニという固有種がいて、北海道や東北地方の河川や池・湖など
に広く生息していました。
全体的に暗褐色をしていて、体長は4~6cmと小型、ハサミは丸くて大きいのが特徴です。
現在では、生息地の開発や水質汚染、アメリカザリガニとの生存競争に敗れて生息数を
減らし、北海道や青森県、秋田県、岩手県の1道3県に生息しています。
さて、ザリガニ類は脱皮しながら成長します。
脱皮直後は殻(外骨格)も柔らかいため、カルシウムなどを補給して殻を固くしなければ
なりません。
元々、ザリガニが住む淡水には海水のようなミネラルイオンがありません。
そこでザリガニは、脱皮後の古い殻を食べるほか、胃石にため込んだカルシウムやマグネ
シウムを血液中に溶かして新しい殻に補給することで、数日で固い殻を作り上げます。
胃石(下写真:5mmほど)とは、殻から遊離したカルシウムやマグネシウムが胃の中で固ま
った白い物で、脱皮前には肥大化して、脱皮後の殻の補強に役立てています。