今年5月、横浜のアパートから逃げ出したアミメニシキヘビは逃走から16日後、アパートの
屋根裏で無事に捕獲されました。
6月には、2年前に茨城県のペットショップから逃げ出したミナミジサイチョウが千葉県の
白井市で無事に捕獲されました。
また長野市では、(翌日捕獲されましたが)オオカミ犬が逃げ出したというニュースも
ありました。
特に熱帯に住むミナミジサイチョウの場合、(動物園ならともかく)エサの乏しくなる
日本の冬を2度も越せたのは、驚きです。
爬虫類がいなくなる冬場、いったい何を食べていたのでしょうか?
生ごみの中からエサを探して食べていたのか、あるいは可哀そうに思った誰かがエサを
与えていたとか、、、。
不明な点が多すぎます。
また1/4ほども折れていた上下の嘴も、痛々しく見えました。
ジサイチョウはサイチョウ目ジサイチョウ科(サイチョウ科に分類することもあります)
ジサイチョウ属の鳥で、サハラ砂漠以南のアフリカの草原・林などに生息し、地上を歩き
ながら昆虫や爬虫類(ヘビやトカゲなど)を主食としています。
国内の動物園では馬肉や鶏肉の他、ミルワームなどの昆虫も与えているようです。
さて、鳥の嘴は鳥が生きている限り「伸び続ける」という話もありますが、折れた嘴は
元に戻るのでしょうか?
私は動物公園勤務時代に、上嘴の折れたナベヅルを数年間世話していましたが、上嘴が
伸びることはありませんでした。
(伸びるスピードと自然にすり減るスピードが同じだったのかも知れませんが)
一方、下嘴の折れたソデグロヅルでは、しばらくして下嘴が伸びてきました。
上嘴と違って、下嘴がないとエサも食べづらく水も上手く飲めませんので、鳥類では
下嘴が優先的に伸びるのではと考えていました。
下嘴が伸びるまでの間、水を加えてペースト状にしたツルペレット※を、50cc注射器
に取り付けたチューブで直接、食道の中に入れていました。
※ツルペレット:ツル専用の人工飼料
最近では、3Dプリンターを使って人工の嘴を作ることもできるようになっています。
(下写真:オオハシ)