牛のげっぷで温暖化

牛は人類にとって最も重要な家畜ですが、その牛から出される”げっぷ”や”ふん尿”には地球

温暖化の原因となる物質が含まれています。

牛などの反芻動物は、第一胃内の消化作用の過程で生成されるメタンガスを、げっぷとして

排出しています。

 

 

 

 

 

メタンガスは二酸化炭素に次いで多く排出されており、大気中のメタンガスの20~30%

牛のげっぷです。

世界中には15億匹の肉用牛・乳牛が飼育されているそうですから、げっぷの量も相当な

ものです。

成熟した乳牛は、げっぷで毎日400~500リットルのメタンガスを排出しています。


 

 

 

 

またメタンガスは、二酸化炭素の25倍以上(最大80倍)の温室効果があるとも言われて

いることから、イギリスのある企業は牛用マスクを開発し、牛から出るメタンガスの60%

削減に成功したそうです。

マスクですから、大事な牛の胃内微生物にも影響を与えません。

 

 

 

 

 

一方、牛のエサに海藻を混ぜてメタンガスを減らす試みも行われています。

その海藻はカギケノリ(鉤毛海苔)で、世界中の温かい海の自生する筆の穂のような形を

した紅藻です。


 

 

 

 

カギケノリを乾燥させ、エサに1~2%混ぜることで牛の胃内にいる細菌の分解酵素の働きを

抑え(牛への影響を最小限にとどめながら)、メタンガスの排出を抑えることができる

そうです。

 

さて私たちは、人が食べられる穀物を牛や豚、鶏などに与えて食肉や乳製品、卵などを

生産しています。

肉1kgを生産するために必要な穀物量は、鶏肉で4kg 、豚肉で7kg、牛肉で 11kgにもなり

ます。

 

 

 

 

 

SDGs(持続可能な開発目標)的な生活について、もう一度、食生活から考えてみるのも

いいかも知れません。

 

 

 

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