今年は丑(うし)年です。
牛はとても重要な家畜で、牛乳を搾る乳牛と食肉になる肉牛がいます。
乳牛の子牛は生後2か月もすれば乳は必要とせず、草を食べ始めます。
それでも牧場などでは、1週間ほどしか母牛の乳は飲ませてもらえず、後は人工乳を飲まされて
います。
本来、子牛が飲むはずの乳は、牛乳として人が利用するわけですから。
牛乳1リットルを作るには、400~500リットルの血液が必要になり、1日20リットルの牛乳を出す牛の場合、
1万リットルの血液を乳房に送り込んでいる計算になります。
なお、日本の牛乳は100%国産ですから、安心して飲めて値段も安い飲み物です。
また牛乳には、タンパク質・脂肪・ミネラル・すべての種類のビタミンのほか、人が必要と
する必須アミノ酸も多く含まれる完全栄養食品です。
お茶のカテキンが体にいいのは分かりますが、乳牛が命をかけて作る牛乳よりも、お茶や
ミネラルウォーターの方が値段が高いのは、どう考えても解せません。
日本の酪農家も年々減少しています。
やがて牛乳も、ほかの畜産物のように外国に頼る時代になるかも知れません。
それで、本当にいいのでしょうか
さて、牛には胃が四つあり、第一胃・第二胃・第三胃・第四胃に分かれています。
第一胃から第三胃までは食道が進化したもので、消化液を出すのは第四胃だけです。
牛が主食とする草は、セルロースなどの消化できない植物繊維を多く含んでいます。
そのため、セルロースを消化するにはセルラーゼという酵素が必要になります。
牛をはじめ、哺乳類はセルラーゼを持っていないので、草食の牛の胃でも消化できません。
牛の第一胃は肉牛で200リットル、乳牛では 300リットルにもなり、胃内の微生物により食物繊維が
分解・発酵することで、牛の栄養が作られます。
牛は、食べた草を胃から口に戻して消化を助けています(反芻:はんすう)
この反芻は、消化を効率的に行うために必要なもので、1日に6~10時間も行われています。
牛などの反芻動物は、外敵となる肉食動物がいない時に草を食べ、安全な場所に隠れてから
ゆっくりと消化できるように進化してきました。
ですから、逃げ足の速い馬は反芻しません。