今年11月、香川県の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが発生しました。
また、北海道や鹿児島県の野鳥の糞便からも、鳥インフルエンザウィルスが検出されています
ので、注意が必要です。
鳥インフルエンザは日本では、病原性に応じて高病原性鳥インフルエンザ、低病原性鳥イン
フルエンザ、鳥インフルエンザの3つに分類されています。
中でも高病原性鳥インフルエンザは致死率が高く、低病原性鳥インフルエンザは高い病原性は
示さないものの、ウィルスが変異して高い病原性を示す可能性もあります。
鳥インフルエンザウィルスは、基本的にはヒトに感染することはありませんが、感染している
鳥との濃厚接触によって、ヒトに病原性を示すことがあります。
濃厚接触とは、排泄物に触る・死体に触る・鳥の羽をむしる、などの行為です。
ヒトに感染すると、ヒトのインフルエンザ同様、発熱や筋肉痛・関節痛が見られ、病原性の
高い鳥インフルエンザウィルスに感染すると重篤な肺炎を発症し、死亡することもあります。
インフルエンザウィルスはカモの腸管の中に住み着いて、全種類のインフルエンザウィルス
が存在すると言われています(下左:マガモ、下右:ヒドリガモ)
それはインフルエンザウィルスが、生き残るために長い年月をかけて、カモと共存できる宿主
関係を築き上げてきたからです。
カモは渡り鳥(冬鳥)で、越冬のために世界各地の池や湖に来ます。
それに伴い、インフルエンザウィルスもヒトの生活圏の中に入って来るのです。
また鳥インフルエンザウィルスが、人類が経験したことのない新型インフルエンザウィルスに
変異するのは、時間の問題と考えられています。
今年は、新型コロナウィルスで世界中が大変なことになりましたが、間違いなく起こる新型
インフルエンザウィルスへの備えも怠ってはなりません。