国際オリンピック委員会(IOC)は、東京オリンピックのマラソンと競歩について、東京が
暑すぎるとして、札幌での開催に変更しました。
夏の東京が暑いことは、IOCはじめ誰もが知っていたはずで、競技会場の変更は、余りにも
唐突で遅すぎます。
アスリートファーストの精神は、どこへ行ったのでしょうか。
巨額なスポンサー収入を得るため夏場に開催するという、アメリカへの過大な配慮が元凶に
なっていますが、オリンピックの開催時期は本来、開催国に任せるべきです。
競技当日、東京が雨や曇りの可能性もあれば、逆に札幌が真夏日の可能性だってあります。
地球温暖化が進む現在、札幌だから気温が低いとは、一概には言えません。
次回のパリでも、今年7月25日に最高気温が42.6℃となり、70年ぶりに最高気温を更新しま
したので、今後、北半球で行われるオリンピックの競技会場変更は、当たり前になるかも
知れません。
さて、マラソンの起源については紀元前400年の「マラトンの戦い」に由来するというの
が有名ですが、他にも諸説あるようです。
オリンピッでは、第1回近代オリンピックの長距離走がマラソン競技の始まりと言われて
いますが、最初は42.195kmではありませんでした。
正式に42.195kmになったのは、第8回のパリ大会からです。
この120年余りの間、マラソン記録も更新され続け、現在の世界記録は1時間59分40秒と
なっています。
ところで、マラソンのトップ選手は平均時速20Kmで2時間も走れますが、他の動物たちは
どうなのでしょうか。
人間以上のスピードで40Km走れる動物は、多くはありません。
なぜなら、人のように汗腺が発達していないため、汗をかいて体温を下げることが難しい
のです。
北アメリカ大陸に生息するプロングホーン(下写真)やトナカイ、ウマなどの草食動物の
ほか、オオカミなどです。
サンタさんのソリを引く動物として有名なトナカイですが、トナカイという和名はアイヌ語
の「トゥナカイ」や「トゥナッカイ」に由来します。
北海道にトナカイはいませんが、アイヌの人たちはかつて、サハリンや千島列島などにも
暮らしていたそうです。
また大陸の人たちとも交流があったと言われており、北海道の遺跡からも、トナカイの角で
作られた装飾品が見つかっています。
なお、一般的にシカ科の動物はオスだけに角がありますが、トナカイはオス・メス共に角が
あります。
北極圏に生息するトナカイは、冬場になると雪に埋もれたエサを探さなければなりません。
そのため角は、降り積もった雪を払い除けるスコップとして、なくてはならないのです。