今から40年ほど前のことです。
私は当時住んでいた東京から日帰りで帰省し、K市の職員採用試験(獣医師)を受験しま
した。
当日は「私の生き方」というテーマで原稿用紙2枚以内の作文もあり、提出後の面接官の
発した言葉は、今でも忘れることはできません。
「君は仕事のことは書いてないね~」
「え~~人としての生き方じゃなくて、仕事に対する生き方も書くのか~」
「それなら最初から、仕事に対する私の生き方というテーマにすればいいのに」
その瞬間、不採用決定だな~と思いました(プンプン)
面接官的には、市職員を目指しているのなら「それくらい分かるだろ~」と心の中で叫ん
だに違いありません。
他の人は忖度して、(どこの職場になるかも分からないまま)市職員(公僕)として市民
のために誠心誠意尽くす覚悟を書いたのだろうか。
それに引き換え、私はあるアマチュア昆虫研究家の生き方を引用したのですから、面接官
にすれば、随分と想定外だったことでしょうね。
私の記憶が正しければ、その人は国鉄(現JR)の職員で、止まっているアリが動き始める
時、最初にどの脚を動かすか、という研究だったような。
昆虫の定義の一つに「脚は6本」というのがあります。
ですから止まっているアリが動き始める時、最初に動かすのは〇〇の〇脚。
詳しくお知りになりたい方は、個人的にご連絡下さい。
ところで、世の中には〇〇ムシ(虫)と言うように、最後にムシが付く生き物がいますが、
中にはムシ(昆虫)ではないものもいます。
たとえばデンデンムシ(カタツムリ)や海岸に多いフナムシ、寄生虫のサナダムシ、他にも
ダンゴムシ(下写真)などなど。
最強の生物と言われるクマムシも、その一つです。
今から5億年前には、すでに存在していたことが化石から分かっていますので、正に生きた
化石です。
体がクマに似ていることから、クマムシという名前が付いたようですが、この1ミリにも満た
ない微小な生き物は、高山から極地まで地球上のありとあらゆる環境に生息しており、
約1,000種類が知られています。
コケの汁を吸っているクマムシは特殊なタンパク質を持っており、体の一部をガラスのよう
なものに変化させることで乾燥による細胞の破壊を防ぎ、10年以上乾眠することができる
そうです(一説によれば、120年の乾燥にも耐えられるとか)
高温にも強く、コケごと100℃に6時間置くとコケは焼け焦げますが、クマムシは水を灌ぐと
24時間後には活動を始めます。
他にも絶対ゼロ度の-273℃に耐え、真空状態でも約10日間生存することができます。
驚くのは、75,000気圧にも耐えることです。
75,000気圧というのは、人間なら人差し指に75トンの力が加わるレベルとのことですから、
直ぐには信じられません。
さらに、人間の1,000倍以上の放射線にも耐えるそうですから、想像を超える生命力です。
クマムシの特殊な能力を活かした防護服があれば、原発事故現場で働く人たちの作業効率
も向上し、廃炉までの時間も短縮できるのではと、思うばかりです。
いずれにしても、専門家が考えることですが。