東京農工大学と北海道大学の研究グループによると、海のプラスチックごみが原因とみら
れる有害物質による汚染が、世界各地の海鳥に広がっているとのことです。
また死亡との因果関係は分かりませんが、クジラの体内から大量のプラスチックごみが
検出されたというニュースもありました。
グループは、尾羽の付け根付近から分泌される尾腺ワックス(下写真)という脂肪を分析し、
プラスチックごみが起源と推定される有害物質を検出しました。
その検出率は40%を超え、飲み込んだプタスチックから有害物質が体内に移行し蓄積して
いると見られています。
尾腺はダチョウなどの一部の鳥類を除いて鳥類唯一の皮脂線で、鳥たちは、その分泌物を
口ばしに付けて羽づくろいを行うことで羽毛は清潔に保たれ、同時に防水効果も上がります。
中でも水鳥では、良く発達しています。
さらに京都大学の田中周平準教授によれば、東京湾や大阪湾で採取した魚の40%からマイク
ロプラスチックが検出されたそうですから、今後、世界的な環境問題になることは間違いな
さそうです。
そもそもマイクロプラスチックとは、一般的には5mm以下の微小なプラスチック片で、海に
流れたプラスチックごみが紫外線や海水の温度差、波の力によって細かく砕かれたものです。
ウイーン医科大学の調査によれば、とうとう人の便からも検出されたとのこと。
(10gの便から、平均20個のマイクロプラスチクが検出)
しかも、日本やイギリス、オーストラリアなど、調査した8カ国すべての人から検出された
となれば、人の体の中には、すでにマイクロプラスチックが入っていることになります。
特に便秘ぎみの方は、心配ですね。
健康志向から魚介類を食べる機会の多い昨今ですから、いずれは魚も、検査する時代になる
かも知れません。