今年の話題から ⑤ 「新種のオランウータン発見」

今年11月、スマトラ島北部の北スマトラ州で新種のオランウータンが発見されたという大きな

ニュース(右写真)がありました。

 

 

 

 

オランウータンは現在、スマトラ島に生息するスマトラオランウータンとボルネオ島に生息

するボルネオオランウータンの2種に分類されています。

 

記事によると、スイス・イギリス・インドネシアの研究者から

なる国際チームは、死亡したオスの頭部の骨や歯、捕獲個体の

DNAなどから、従来の2種とは異なる第3のオランウータンで

あると発表しました。

 

 

新種のオランウータンはスマトラ島で発見されたにも関わらず、DNA的にはボルネオオラン

ウータンに近いという点が気になっていました。

なぜなら、2000年に出版された雑誌に掲載された、ある女性研究者の話を思い出したから

です。

その人とは、40年以上もの間野生オランウータンを研究し、オランウータン研究の第一人者

して有名なビルーテ.ガルディス博士です。

博士によると、ボルネオオランウータンの一部の群には、遺伝的にスマトラオランウータン

に近いものがいるとのことで、当時から遺伝子レベルによるオランウータンの分類に疑問

持たれていたからです。

 

新種のオランウータンは進化の中で偶然、古い特徴を残しながら生き残ったとされており、

頭部の大きさや縮れた毛など、従来の2種とは異なる形態的な特徴もあるようです。

 

新種でありながら、従来のオランウータンに近い遺伝子を持つということが、独特な進化

メカニズムによるものであれば、それは自然の摂理なのかも知れません。

ただ亜種という概念がなかった時代、スマトラ・ボルネオ島間で人為的なオランウータン

の交流があったとしたら、話は別です。

 

大昔、大陸にいたオランウータンの祖先は、いつ頃、東南アジアの島々に渡ったのか、

スマトラ島とボルネオ島はいつ頃まで一つで、いつ頃分かれたのかなどなど、今回の新種

発見が多くの疑問を解き明かすヒントになるかも知れません。

 

世紀の発見ですが、この新種オランウータンの大部分が住む地域では、水力発電所建設の

計画があるそうです。

今後、どのような形で種の保存が図られるのか、注目です。

 

 

他の大型類人猿であるチンパンジー(右写真)とゴリラ(下写真)

は、共に4種に分類されています。

ゴリラは以前、低地に住むニシローランドゴリラと山間部に住む

マウンテンゴリラに分類されていましたが、西部地区のゴリラは

ニシローランドゴリラとクロスバリーゴリラ

に、東部地区のゴリラはマウンテンゴリラと

ヒガシローランドゴリラに分類されました。

 

 

なお分類については、将来的に変わる可能性もあります。

 

 

 

 

 

 

 

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