動物たちにとって、一番大切な繁殖シーズンが到来しました。
動物たちは、自分の子孫(遺伝子)を残すために生きています。
ですから余程のことがない限り、人間のように自分の遺伝子を受け継ぐ
子どもを簡単に殺すようなことはありません。
(もちろん動物でも、わが子をを見殺しにすることはありますが)
さて皆さんは、ステラーカイギュウという動物を知っていますか?
ジュゴンやマナティーなどと同じ仲間で、ドイツ人医師で博物学者の
ステラーによって発見されたことから、その名が付きました。
でも現在、ステラーカイギュウを見ることはできません。
なぜなら、1741年の発見からわずか27年で、絶滅してしまったから
です。
子どもがいれば、まず子ども殺します(母親は逃げませんから)
次に母親を殺します(父親は逃げませんから)
そして最後に父親を殺すという方法です。
ステラーカイギュウの存在が分かると、人々は肉や脂肪(油)、毛皮などを
求めて、狩りをしました。
肉は子牛のように柔らかく、脂肪はランプの燃料として重宝されたといいます。
ステラーカイギュウに、子どもを置いてでも逃げるという選択肢があれば、
今もどこかで、生き残っていたかも知れません。
チドリの仲間には、擬傷(ぎしょう)という高等テクニックでヒナを
守る行動をするものがいます。
擬傷とは外敵が近付いてきた時、親鳥が傷ついたふりをして、簡単に
捕えられるような芝居をします。
結果、外敵を巣から遠ざけ、ヒナな卵を守る行動をいいます。
1 親鳥は巣から離れた所で鳴いて、外敵の気を引く。
3 外敵が見える所に着地する。
4 親鳥は翼や脚を地面に引きずり、傷を負っているように見せる。
5 外敵が追ってくれば、さらに数m先に着地し、同じように擬傷する。
このような行動はチドリのほか、ヒバリやキジなどでも見られます。
本能とはいえ、人間でも騙されるそうですから、すごいとしか言いようが
ありません。