6月28日は、ニワトリの日です。
日本養鶏協会などが「に(2)わ(8)とり」の語呂合わせから、昭和53年6月に制定しました。
鶏卵は栄養価が高いだけでなく、多くの料理やデザートに用いられ、今や食材として、欠かせ
ないものになっています。
として、世界中で食べられています。
人とニワトリとの関わりは古く、紀元前3,000年の頃のインドでは、
すでにニワトリが家畜化※されていたそうです。
※家畜化:ニワトリの卵や肉を利用するために、人が飼いならすこと。
日本では、弥生時代の遺跡からニワトリの骨が見つかっています
ので、その頃、大陸・朝鮮半島を経由して、日本に持ち込まれた
ようです。
最近の遺伝子検査などによると、ニワトリの祖先は、今もインドや東南アジアなどに生息する
赤色野鶏(セキショクヤケイ)や灰色野鶏(ハイイロヤケイ)と考えられています。
一般的に鳥類では、繁殖期に卵を産みますが、ニワトリは、どうして毎日のようにタマゴを産む
ようになったのでしょうか。
多くの野鳥では、産卵数※が決まっています。
そのため、人為的に巣から卵を取り除くと、メス鳥は不足分を補うため、卵を産み足すことが
あります。 その性質を補卵性(ほらんせい)※と言いいます。
※産卵数:1個(アホウドリ・キングペンギン) 2個(ツル・イヌワシ) 3個(アオサギ) 4個(タゲリ) 5個(ハシボソガラス)
※補卵性:繁殖期にヒナが死んだり卵が割れると、子孫を残すために次の産卵を行うこと。
昔の人たちも野鳥の補卵性を利用する一方、長い歴史の中で品種改良などを行い、年間270個
もの卵を産むことができる、産卵だけに特化したニワトリを作り出しました。
日本で一般的な卵用種である白色レグホンでは、年間に自分の体重の8倍量の卵を産むそう
です。
卵用種では、生後4~5カ月くらいから産卵が始まり、その後1年くらいで更新(廃鶏として食肉
処理)する農場もあります。
更新せずに産卵を続けさせると、どうなるのでしょう。
次第に産卵率が低下し、卵殻の質も悪くなり(殻の厚さが薄くなる)、結果、破卵が増えると
いう経営的な損失が生じます。
そこで、ニワトリを更新しない農場では、強制換羽(きょうせいかんう)※という処置を
行います。
※強制換羽:鶏にエサを与えず休産させ、羽毛の抜け代わりを促すことで産卵率を回復・
向上させる方法
※換羽:鳥類の生理現象として年1回、全身の羽を交換すること(スズメでも平均3,500枚の
羽がある)
強制換羽を行うことで採卵期間を6カ月延ばすことができますが、エサを与えられないメス
鶏の体重は25~30%も減少し、かなりのストレスになります。
そのため、アメリカやカナダ、オーストラリアなどでは禁止されていますが、日本での
法的規制はありません(実際、死んでしまうニワトリもいるとのこと)
近年、絶食による換羽ではなく、低栄養飼料による換羽も行われるようになってきました。
また、強制換羽を行わないことを消費者にアピールすることで卵に付加価値を付け、その分、
高値で販売する農場などもあります。
今から4万年~1万年前、ヨーロッパを中心に暮らしていたクロマニヨン人の洞窟の壁画に、
卵が描かれていたそうですから、昔から貴重な食べ物だったことが分かります。
ところで、日本人の中には、卵かけごはんの好きな方も多いと思いますが、生の卵(白身)を
白身にはアビジンという物質が含まれ、危険レベルは低いものの、それによってビタミンの
もちろん、加熱すれば大丈夫です。