10月1日、ジェーン.グドール博士(下写真)が逝去されました(享年91歳)
博士はロンドン生まれで、1960年からタンザニア(ゴンベの森)で野生チンパンジーの研究を
続け、野生チンパンジー研究の第一人者と言われてきました。
「最も長期にわたる霊長類の研究」としてギネス記録にも認定されている博士には、オランダ・
ドイツ・アメリカ・カナダ・日本(京都大)など多くの大学が、名誉博士号を授与しています。
2002年には人類学のノーベル賞とされるイギリスのハクスリー賞※を受賞、また今年1月には
アメリカ大統領が文民に与える最高位の大統領自由勲章(下写真)も受章しています。
※ハクスリー賞:英王立人類学研究所が顕著な功績をあげた人物に贈与する賞
(日本人では伊谷純一郎氏が初めて受賞)
一番の業績は、野生チンパンジーの道具使用(下写真)を発見したことです。
そのオスは、葉をきれいに取り除いた茎をアリ塚に差し込み、茎に嚙みついたシロアリを釣り
上げて食べていたのです。
当時は「道具を作って使うのは人間だけ」と考えられており、それこそが人間と動物を分かつ
ものだったのですから。
他にも、チンパンジーには「思いやり」があること、原始的な「戦争」をすること、母子間に
「深い絆」があること、食べ物の「物乞いと分与」を行うこと、「狩り」をすることなどを観
察・報告しています。
当初は「擬人化」しすぎているという指摘もありましたが、チンパンジーに番号ではなく名前
を付けて性格や感情を記録する手法は、当時の学会に衝撃を与えました。
私は、動物の生きる目的は自分の「子孫・遺伝子を残す」ことだと考えています。
ですから、たとえ動物園のような人工的で閉鎖された空間であったとしても、子どもの誕生
は動物たちにとって「最低限の幸せ」になると思っていました。
でも、それだけではダメだったのです。
以前、グドール博士の講演会が東京(上野動物園?)で開催された時のことです。
直接は聞いていませんが、博士は次のように話されたそうです。
「子供が生まれるだけでは、動物たちは幸せではない!」と。
なぜなら「ユダヤ人収容所でも、赤ん坊は生まれていた!」と。
動物園で暮らす動物たちの「幸せ」とは何なのか、その答えはまだ見つけられません。






