変温動物である昆虫も、様々な方法で冬を越します。
カマキリのように卵で越冬するもの(下写真)、カブトムシのように幼虫で越冬する
ものがいます。
また、アゲハチョウのように蛹で越冬するもの(下写真)、テントウムシのように成虫
で越冬するものもいます。
昆虫は、体温が0℃以下になっても「凍結耐性」というと特殊な能力のお陰で、生き
伸びることができます。
通常、細胞中に氷が出来ると組織は破壊されますが、昆虫では「不凍タンパク質」で
あるブドウ糖やグリセロール、シトロン酸などの濃度を高めて、体の水分が凍らない
ようにしています。
ヘビやカエル(下写真)なども冬眠しますが、凍死することはないのでしょうか。
ハ虫類・両生類でも、昆虫と同じように体内の凍結を防ぐ「凍結回避タンパク質」を
体の中に生成することが出来るようです。
カエルでは体液が凍り始める時、肝臓の酵素がグリコーゲンを分解してブドウ糖を
作り出し、血糖値が上がります。
糖分は、昆虫などと同じように細胞を凍りにくくします。
濃縮されたブドウ糖は、体内のエネルギー消費を遅らせる働きもあるので、寒い冬を
越せるのです。
冬眠ではありませんが、北アメリカ北部の氷河に生息するコオリミミズ(下写真)は、
温度が下がり氷点下になると体が凍って活動を休止し、その後、温度が0℃に上がると
解けて、再び元気に動き始めます。
コオリミミズが凍結融解を繰り返しても、元気に生き続けられる仕組みは分かって
いません(体液にはグリセリンが含まれているとか)
20年ほど前、NASAがコオリミミズの研究に2,500万円ほどの補助金を出したことが
話題になりました。
木星の大型衛星であるイオやエウロバに、生命があるかどうかの研究につながる可能性
もあります。