2月の第3土曜日は「世界センザンコウの日」となっており、今年は2月15日でした。
皆さんはセンザンコウという動物を知っていますか?
私は上野動物園で見たような気がします。
センザンコウは全身が体毛の変化したうろこで覆われており(下写真)、敵に会うと丸く
なって身を守ります。
漢字では「穿山甲」と書きます。
センザンコウはアフリカやアジアに8種類が生息し、アリやシロアリを食べています。
その効果は数百万ドルに相当し、ペストコントロール(有害生物の繁殖抑制)と言われ
ていますが、絶滅が心配されています。
今後、急激に生息数が減ることによる環境への副作用も心配されています。
生息数を減らしている一番の理由は、全身のうろこが漢方薬の原料になると信じられて
いるため、密漁が絶えないのです(下写真)
ですからセンザンコウは、世界で最も密漁されている哺乳類とも言われています。
うろこの成分は人の爪やサイの角と同じケラチンですから、特段の薬効成分は無さそう
ですが、中国やベトナムなどでは以前から高血圧緩和やアレルギーを鎮める伝統薬とし
て、利用されてきたそうです。
その中国ですが、今後漢方の原料としてセンザンコウのうろこは認めないという決定を
したとのことですから、(ちゃんと守れば)保護の向けての大きな一歩になりそうです。
また肉(下写真)は、高級食材とされているとか。
ところでセンザンコウからは、新型コロナウイルスと類似したウイルスが発見されて
おり、コウモリのコロナウイルスとセンザンコウのコロナウイルスは最も似ていると
言われています。
元々野生動物は、人間とは違う免疫システムを持っているので、ウイルスを持っていた
としても、病気にならないのが一般的です。
両ウイルスの遺伝子配列を比べたところ、85%~92%が一致しているそうですから、中国
における新型コロナウイルスの蔓延に、センザンコウが何らかの役割を果たしていたの
かも知れません。