東京大学医科学研究所の河岡義裕教授らの研究グループは、新型コロナウィルスの感染がネコ
同士でも広がっていくことを発表しました。
研究グループはアメリカで、感染した人から採取したウィルスをアメリカの実験基準に基づ
き、ネコ3匹に感染させました。
その後、それぞれ感染していないネコ1匹とペアを組んで、三つのケージ分けられました。
結果、5日後には当初感染していなかったネコ3匹からもウィルスが検出されたそうですが、
人で見られるような体調の変化は、確認できなかったそうです。
新型コロナウィルスのネコへの感染は、ベルギーや香港でも確認されています。
さて、多くの野生動物たちは常に、体を清潔に保っています。
そのことで病気を防ぎ、結果、健康にもつながるからです。
健康でなければ、一番大切な子孫を残すこともできませんから。
肉食獣の中でも、群れを作らないネコやネコ科の動物たちの多くは、待ち伏せ型です。
ですから、獲物に気づかれないようにグルーミング(毛づくろい)して、体臭も消さなければ
なりません。
肉球以外に汗をかけないネコの仲間では、グルーミングが体温調節にも役立っています。
またメスのネコ同士では、信頼の証として、お互いの被毛を舐め合うことも知られています。
今回、コロナウィルスに感染したネコの口や鼻から飛沫が飛んで、自分の被毛や同居するネコ
の被毛に付着することは、十分考えられます(ケージ内は密接・密集ですから)
獣医師としての切り口で言えば、実験に使われたネコの性別が気になりますが、残念ながら、
そこまでは書かれていません。