ツルの北帰行

世界的なツルの越冬地である鹿児島県出水平野。

今シーズンも、1万羽を超えるツルたちが越冬しました。

 

 

 

 

年が明けると、ツルたちは大切な繁殖シーズンを迎えますので、それぞれの繁殖地に

戻って行きます。それが北帰行です。

 

 

 

 

 

ツルをはじめとする脊椎動物では、外界の環境変化(気温の上昇や日長など)によって下垂体

から性腺刺激ホルモンが分泌され、繁殖に向けた準備に入ります。

出水平野のツルたちも、♂・♀が鳴き交わしたり、舞い(ダンス)を頻繁に行うなどして、

お互いの信頼関係を再確認します。

そうなると、越冬地まで連れてきた我が子に対する関心は、次第に薄れていきます。

 

動物園などでも、同様の時期に我が子に激しく攻撃する例が、しばしば観察されます。

限られたスペースでは、子どものツルが殺される恐れもあります。

その時は、親子を分けることになります

 

ツルの親子は、北帰行のどこで別れるのでしょうか。

次の3つのケースがあるようです。

1 出水を飛び立った時点で別れるケース

2 中継地(対馬や朝鮮半島など)で別れるケース

3 繁殖地に着いてから別れるケース

 

ところで、ツルは立木に止まれるのでしょうか。

江戸時代の絵画には、松の枝に止まるツルの絵もあります。

 

 

 

 

ツルは木の枝に止まれないため、コウノトリの書き間違いではないか、という指摘をする

人もいました。

しかし、出水平野を飛び立ったツルたちが一時的な天候急変に見舞われた場合、杉や松、

照葉樹林などに止まっている姿が過去に、確認されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

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