6月14日、阪神競馬場の宝塚記念・GⅠレースに出走していた競走馬(マイユニバース:牡4歳)
が、レース中に急性心不全を起こして死亡しました(下写真)
馬の致死性急性心不全の多くは心室性期外収縮が原因とされ、心室が正しいタイミングと少し
ずれて縮んでしまう不整脈の一種と考えられています。
心臓のポンプ機能が損なわれると、全身に必要な血液が送れなくなることで呼吸困難や虚脱を
起こし転倒、その後心肺停止となります。
人間の場合、AED(自動体外式除細動器:下写真)による処置が行われますが、馬にはAEDが
ありません。
このような出来事があると「走らせすぎ」が原因ではないか、という批判がよく起きますが、
過去に起きた急性心不全の例では、実際のレース中よりも日常の調教中に命を落としている
ことの方が多いそうです。
不整脈の他にも、先天性の心臓の異常(弁膜症)や心筋炎などの感染症、暑熱や運動負荷に
よる脱水で起こる電解質のバランスの崩れなどが、発症リスクを高めるていると考えられて
います。
イヌも、高齢なると心不全を起こしやすくなります。
僧帽弁閉鎖不全症(ソウボウベンヘイサフゼンショウ)は、イヌの心臓病では約75%を占める最も発症率の
高い病気です。
(下図参照)
心臓の左心房から左心室に血液が流れる時、通過する弁(僧帽弁)に異常(加齢に伴う変性)
が起き、弁が正常に閉鎖できなくなるため、本来なら逆流しない血液が心臓内で逆流し、全身
へ送る血液量が減ってしまいます。
そのため心臓は無理をして拍動を続けるので、結果、心臓が肥大化することも多く、肥大した
心臓が気管支を圧迫すると、呼吸も苦しくなります。
最終的には肺水腫から呼吸困難となり、亡くなるケースが多く見られます。
僧帽弁の外科手術もありますが、かなり高額(数百万円)です。
ネコでは、心室の筋肉が肥大化する肥大型心筋症による心不全が多く見られます。
以前はタウリン不足が指摘されていましたが、今では先天性疾患の一つと考えられ、突然死の
原因にもなります。
なお日本人の死因第2位は心疾患で、心不全が4割を占めます。
急性心不全の原因としては急性心筋梗塞、急性心筋炎、心臓弁膜症などがあります。





