5月31日、能登半島に位置する石川県羽咋市で、国の特別天然記念物であるトキ8羽が本州で
初めて放鳥されました。
なおトキには、個体識別のため、風切り羽にカラフルな色が塗られています(下写真)
江戸時代の産物帳(下写真)によると、トキは北海道から東北・関東・北陸・中国地方まで広く
分布していたことが分かります。
明治時代の初めは東京にも生息していたトキですが、その後は銃による乱獲、森林伐採による
営巣地の減少や農薬によるエサの減少などで数を減らしました。
大正時代になると、トキは隠岐の島、能登半島、佐渡島などの限られた地域でしか見られなく
なりました。
それでも、本格的な保護活動は1980年代まで行われませんでした。
さらにトキにとって打撃となったのが、農薬(DDT)です。
DDTはカルシウムの吸収を阻害します。
その結果、トキの卵殻は薄くなり、抱卵中に割れることも多かったことから、繁殖率の低下を
招きました。
DDTは農薬としての使用は制限されていますが、マラリアの流行地(下図)では、ウイルスを
媒介するハマダラカの駆除を目的に、現在でも使用されています。
なぜなら、DDTに代わる殺虫剤が未だないからです。
残る10羽のトキですが、仮設ケージ(下写真)で飼育し、2週間ほど周囲の環境に慣らした後、
あらためて放鳥する予定になっています。





