今年4月9日、国際自然保護連合(IUCN)は、絶滅の恐れのある野生生物のリスト(レッド
リスト)で、南極大陸に生息するコウテイペンギン(下写真)の絶滅危機レベルを2段階引き
上げ、EN(絶滅危惧種:絶滅の恐れが極めて高い)にすることを発表しました。
南極で繁殖するコウテイペンギンは、開発や狩猟などの直接的な影響を受けにくいと考えら
れていましたが、気候変動による深刻化が明らかになり、今回の決定になったようです。
南極大陸や内陸、それに続く棚氷などには、コウテイペンギンの集団繁殖地(コロニー)が
多数あります(下写真)
温暖化によって氷の解ける時期が早まると、ヒナは水に濡れて体温が奪われ、凍死や溺死の
危険性が高まります。
またコウテイペンギンは、毎年1~2月に換羽します。
換羽とは鳥類の生理現象で、古くなった羽毛をすべて落として防水性の高い羽毛に入れ替え
ます。
ですから換羽期間には、羽毛の防水機能、保温力が失われることになり、水に濡れることは
命取りになりかねません。
コウテイペンギンはペンギン全種の中で最も大型で、体長は100~130cm、体重は20~45kg
にもなります。
メスは3~6月に1個産卵し、抱卵はオスが9週間行いますが、その間オスは飲まず・食わず
です。
また体が大きなコウテイペンギンは、筋肉にミオグロビンという酸素をため込む物質を多く
持っていまるため、水中に10分近く潜ることができます。
なおミオグロビンは、クジラやアザラシなどの海棲哺乳類の筋肉中にも多く含まれています。
ちなみに、コウテイペンギンよりも先に発見された大型のペンギンは、当時、最大種と考え
られていたため、「王様」という名前が付けられました(オウサマペンギン:下写真)
その後、南極大陸でさらに大きなペンギンが発見されたため、そのペンギンには「皇帝」と
いう名前が付けられました。




