ラッコが鳥インフルに感染

4月30日、北海道は浜中町(下地図)の藻散布(もちりっぷ)川河口付近で野生のラッコ

死んでいるのが見つかり、遺伝子検査の結果、高病原鳥インフルエンザウイルスが検出され

たと発表しました。

環境省によると、ラッコの高病原鳥インフルエンザ感染は国内では初めてとのこと。

報道によれば、4月22日に住民がラッコの死骸を発見し浜中町に連絡。

その後、北海道大学が遺伝子検査を実施したところ、高病原鳥鳥インフルエンザウイルスが

確認されました。

感染経路は不明ですが、感染した鳥のが口に入るなど、何らかの形でウイルスが移動した

と考えられています。

ラッコが鳥インフルで死亡した海鳥を食べることは考えられませんが、何らかの濃厚接触

あったかも知れません。

同一個体かどうか分かりませんが、死んだ海鳥と接触するラッコの様子が観察されています。

さらに今月9日には、根室市の海岸で死亡しているラッコ3頭が発見され、鳥インフルエンザ

陽性が確認されています。

ただでさえ絶滅が心配されるラッコですから、感染が広がらないことを願うばかりです。

かつて日本では、120頭ほどのラッコがエンターテイメント(娯楽)として飼育されてきました

が、現在では、鳥羽水族館で2頭のメス(下写真)が飼育されるのみです。

アメリカでもラッコが飼育されていますが、治療のために投薬が必要なもの、人に慣れすぎ

ものなどです。

ラッコの飼育は娯楽ではなく、あくまでも「保護・教育」が目的になっていますから、施設内

での繁殖も行われていません。

 

ところで北海道では3月以降、野鳥の鳥インフルエンザ感染が相次ぎ、累計では100羽以上

なっています。

4月には、死亡したウミガラスゼニガタアザラシ(下写真)から鳥インフルエンザウイルス

が検出されています。

ゼニガタアザラシの鳥インフルエンザ感染も国内初でした。

2023年12月、アラスカ州政府が鳥インフルエンザウイルス感染により1頭のホッキョクグマ

死亡したことを発表しています。

を食べて感染したのか、アザラシを食べて感染したのか分かっていません。

人も動物も、変異を繰り返しながら生き延びてきたインフルエンザウイルスの脅威に、晒され

ています。

 

 

Pocket
このエントリーをはてなブックマークに追加
はてなブックマーク - ラッコが鳥インフルに感染