軽種馬防疫協議会は4月11日、熊本県内の農場で飼育されている馬が馬インフルエンザに感染
していることが確認されたと発表しました(下写真)
日本では17年ぶりになります。
馬インフルエンザウイルスは、A型インフルエンザウイルスに分類される馬の急性呼吸器疾患
で、感染力が強いため短時間のうちに多くの馬が感染します。
症状はヒトのインフルエンザと同じように発熱・咳・鼻水(下写真)などで、通常2~3週間
で回復し、ヒトやウマ科以外の動物に感染することはない?とされていますが、アメリカの
フロリダ大学の研究では、馬から犬への感染の可能性が指摘されています。
2004年、フロリダでH3N8馬インフルエンザが流行し、近くで飼われていたグレイハウンド
に伝搬し、多くが死亡しました。
その後、全米の家庭犬に拡大して犬インフルエンザとして定着したと言われています。
県は、感染馬の隔離と飼育している馬の移動自粛・敷地内の消毒などの指導を行いました。
なお馬インフルエンザは届出伝染病であり、一定の治療法が確立していることから殺処分
はしないそうです。
また県では、インフルエンザに感染した馬がと畜場に回ることはないので、馬肉(下写真)
に影響はないとしています。
治療は休養させることが何より重要で、二次感染を防ぐため抗生剤の投与も行われますが、
鎮咳薬(咳止め)は避けるべきとされています。
他にも、人体薬として認可されているタミフル(下写真)やゾフルーザも有効なようです。
軽種馬防疫協議会では、馬インフルエンザワクチン(下写真)接種について初回は2回接種
(基礎免疫)し、以降は半年に1回(春・秋)の補強接種を推奨しています。