10月8日は、ツシマヤマネコ保護増殖連絡協議会が定めた「ツシマヤマネコの日」と
なっています(平成27年)
ツシマヤマネコ(下写真)は、長崎県の対馬だけに生息する野生のネコで、ベンガル
ヤマネコ※の亜種とされています。
※ベンガルヤマネコ:アジアに広く分布する小型のヤマネコで亜種が多い。
ツシマヤマネコは今から約10万年前、陸続きだった大陸から渡って来たと考えられており、
1971年には国の天然記念物にも指定されました。
生息数は、1960年代には推定300頭ほどと考えられていましたが、現在は推定100頭ほど
になり、絶滅の恐れのある野生動物として「国内希少野生動植物種」に指定されました。
特徴は、下図のようになります。
生息数の減少は、人工林の増加やシカ・イノシシなどの食害による生息環境の悪化、交通
事故、本土から人と一緒に入ってきたイエネコからの感染症もあります。
ネコ白血病やネコ免疫不全症候群のほか、ウイルス性鼻気管炎、カリシウイルス感染症、
白血球減少症などです。
ツシマヤマネコは、集落近くの田畑にも現れることがあるので、飼い猫はワクチン接種
を確実にすること、外に出さないことなどを徹底して欲しいものです。
ツシマヤマネコの繁殖期は2~3月で、4~6月に2~3頭を出産します。
エサはネズミ類を主食とし、夏は昆虫やヘビ・カエル、冬は鳥類なども食べる完全肉食
ですが、イネ科植物が糞に混ざることもあり、消化を助けるために食べている(丸呑み)
と考えられています。
また、ウナギを食べる様子も確認されています。
日本の動物園でもツシマヤマネコの繁殖に力を入れており、福岡市動物園では2000年に
国内初の繁殖に成功しました。
他にも、東京の井の頭自然文化園や横浜のズーラシアなどでも飼育されています。
動物園ではマウスや馬肉、鶏頭、ヒヨコ、キャットフードなどを与えているようです。