厚生労働省は今月15日、全国の100歳以上の高齢者が過去最多の92,139人になったと
発表しました(女性:81,589人、男性:10,550人)
女性の最高齢は明治40年生まれの116歳、男性の最高齢は明治44年生まれの111歳の
方だそうです。
総務省の発表でも、総人口の約30%が65歳以上(10%は80歳以上)という超高齢化
社会になっています。
また、22年の日本人の平均寿命(下図)も女性が87.09歳、男性が 81.05歳です。
ところで、なぜ女性が長生きなのでしょうか。
女性ホルモン(エストロジェン)には脂質代謝という働きがあり、コレステロール値
が男性よりも低く抑えられます。
また、善玉ホルモンであるアディポネクチンが脂肪細胞から分泌され、動脈硬化が
抑えられています(女性は男性の2倍以上が分泌される)
更に女性は基礎代謝が低く、活性酸素の産生が男性よりも低いことから、老化の進行
が遅いとも言われています。
女性は、健康に関する意識の高さ(喫煙率の低さなど)や社会的なネットワーク作り
が上手なことも長寿につながっているようで、先進国のほか、途上国でも同じような
傾向があります。
アメリカのカリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究では、メスのマウス
(性染色体はXX染色体)は、オスのマウス(性染色体はXY)よりも長命で、
認知能力も優れていることが分かりました。
さらに南カリフォルニア大学の研究でも、メスのマウスのX染色体上には感染防御を
助長し長寿を保証する領域があるとのことです。
ヒトだけではなく、動物の世界でもメスの方が寿命は長いのでしょうか。
海外の研究によると、哺乳類101種のうち60%の動物でメスの寿命が長いとか。
その他の研究でも、同じ種類の性染色体が2つあることが生存に有利という説もあり
ます。
性染色体がそれぞれ異なる場合、染色体の遺伝子に異常が起きた時に補うことが
できず、結果として健康を保ちづらくなることで寿命に差が出るというものです。
哺乳類ではメスがXXという2つの性染色体を、鳥類ではオスがZZという2つの
性染色体を持っていますので、哺乳類ではメス、鳥類ではオスが長生きという
ことになりますが、真相のほどは、、、。
身近なイヌやネコでは、オス・メスどちらが長生きなのでしょうか?
ペット保険事業を行っているアニコム(株)の調査によると、イヌではオスメスに
差がなく、ネコではメスの方が長生きだったようです。