胆泥(たんでい)症

ペットフード協会とは、ペットフードメーカーにより組織された団体で、ペット

の飼育に関する啓発活動やイヌ・ネコの飼育率の統計調査、他団体・省庁との

折衝などをを行っています。

 

 

 

 

 

団体が行った昨年の全国犬猫飼育実態調査によると、ペットの寿命が延びること

により、ペットフードや動物病院の費用が増えているそうです。

ひと月に支払う平均額は犬で14,000円、猫では7,000円、また生涯に掛かる費用

では犬が約250万円、猫が約130万円とのことですから、それなりに経費が掛かり

ます。

 

 

 

 

 

現在、ペットを飼っていない人に今後ペットを飼いたいかどうか尋ねたところ、

犬・猫共にすべての年代で前年よりも減少し、特に20代での減少幅が大きかった

そうです。

理由としては「世話にお金が掛かる」からとか。

 

犬の場合、昔なら人間の余り物を与えることも多かったと思いますが、現在では、

ライフステージ(妊娠期・授乳期・幼犬期・成犬期)に合わせたフードや治療を

補助する目的の療法食なども、多数のメーカーから販売されています。

 

 

 

 

 

また一昔前に比べると、犬や猫の値段も相当高くなっています。

そのため、全国各地で犬猫の譲渡会が開催され、新しい飼い主が見つかること

自体はいいことだと思うのですが、、、。

 

 

 

 

 

私がお手伝いに行っている動物病院での出来事です。

元気・食欲がなく、嘔吐するとのことでチワワが来院しました。

血液検査をすると、肝臓(ALT)や胆のう(ビリルビン)、総コレステロールの

数値が高く、血小板が少なくなっていました。

胆のう疾患(胆泥症など)の可能性があり、甲状腺や副腎の病気が原因となって

いることもあるので、大学での精密検査(場合によっては手術)を勧めましたが、

飼い主の方は譲渡会で手に入れたこと、高齢であることを理由にお金は掛けたく

ないとのことでした。

胆泥症とは、濃縮して泥状になった胆汁が胆のうに貯留する疾患で、進行すると

泥状の胆汁によって、胆管が閉塞することもあります。

 

実は以前、同じような症状の別なチワワが来院したことがあり、大学での精密

検査を勧めたところ、飼い主の方も了解して下さいました。

そこで大学宛てに紹介状を書いたところ、後日、大学での検査・手術が行われ

元気になったこともありました。

 

 

 

 

 

動物たちは、飼い主を選ぶことはできません。

「私に引き取らせて下さい」と心の中で叫ばずにはいられませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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