5月の最終水曜日(今年は31日)は、世界のカワウソが絶滅の危機に直面している
ことを知ってもらうため、イギリスのNPO団体「国際カワウソ保護基金」が制定
した「世界カワウソの日」です(下写真はユーラシアカワウソ)
世界には13種類(ラッコ含む)のカワウソがおり、日本にもユーラシアカワウソ
の亜種とされるニホンカワウソ(下写真)がいましたが、1979年に記録(高知県
新荘川)されて以降、確実な生存情報がないことから、環境省は2012年に絶滅種
に指定しました。
ニホンカワウソは北海道を除く全国の河川の中・下流域に生息し、水中の魚や
エビ、カニなどを食べて暮らしていました。
明治から昭和初期にかけては、毛皮目的による乱獲が行われ、大正時代には年間
1,000頭以上のニホンカワウソが捕獲されたそうです。
また、結核の特効薬がなかった時代には、カワウソの肝臓が結核に効く?という
ことで乱獲された他、河川開発や水質汚染などによって、ニホンカワウソは追い
詰められました。
日本政府は1964年に天然記念物に、1965年に特別天然記念物に指定しますが、
時すでに遅し。
近年、四国を中心に幾つかの目撃情報もあるようですが、確証は得られていま
せん。(下写真はニホンカワウソが最後に確認された新荘川)
数年前、長崎県の対馬で生きたカワウソが確認され、大騒ぎとなりましたが、
糞からのDNA抽出の結果、対馬のカワウソはニホンカワウソではなく、韓国・
サハリン系統のユーラシアカワウソであることが分かりました。
ニホンオオカミ同様、ニホンカワウソも人知れず生き残っていて欲しいのです
が、、、。