今年の話題から Ⅱ アドベンチャーワールドで鳥インフル

和歌山県は11月11日、白浜町のアドベンチャーワールドで死亡したアヒルの遺伝子

検査の結果、高病原性鳥インフルエンザの感染が確認されたと発表しました。

 

 

 

 

 

殺処分されたのは家畜伝染病予防法で定められたアヒルやガチョウのほか、ダチョウ

とエミューも含まれています。

 

 

 

 

 

なお、法律の対象外となるペリカンやフラミンゴは処分しないとのことでしたが、

その後、衰弱したモモイロペリカン(下写真)からも高病原性鳥インフルエンザ

ウイルスが検出されたため、回復の見込みがない個体については、殺処分されま

した。

 

 

 

 

 

モモイロペリカンは翼を広げると2m以上、体重は約10kgにもなる大型のペリカン

で、ヨーロッパ南東部やアフリカの内陸部にある湖や沼などに生息しています。

名前の由来となった桃色の体は、繁殖期になると一層、鮮やかになります。

 

ところで動物園では、多種多様な鳥を飼育しています。

トキ(下左写真)やコウノトリなどの種の保存法の対象種、ライチョウ(下右写真)

などの天然記念物に指定されている種もあります。

  

 

 

 

 

これらの鳥たちでも、処分の対象になる可能性はあります。

その時は、種の保存法の対象種なら環境省と、天然記念物なら文化庁又は各自治体の

教育委員会と協議することになります。

カンムリシロムク(下写真)のように、動物園同士が協力して繁殖に取り組んでいる

種が処分の対象になった場合は、日本動物園水族館協会(日動水協)と協議すること

になります。

 

 

 

 

 

今年は全国的に、鳥インフルエンザの発生が早いようですから、養鶏場はもちろん

のこと、動物園やテーマパークなどでも十分な対策が必要です。

 

今月22日には、香川県丸亀市内のため池で死んでいるコウノトリ(下写真)が発見

され、簡易検査の結果、鳥インフルエンザ陽性が確認されました。

コウノトリでは、全国初の事例です。

 

 

 

 

 

鹿児島県内でも、出水市の養鶏場で死亡したニワトリから高病原性鳥インフルエンザ

ウイルスが検出され、殺処分が行われたばかりです。

今年は、回収されたツル(死亡又は衰弱)からの鳥インフルエンザウイルスの検出が

例年に比べて多く、ツルたちにとっても厳しい冬になりそうです。

専門家の話では、消化管内のウイルス量が例年に比べて多いことから、体外への排出

も多くなり、従来の「カモ→ツル」への感染から「ツル→ツルへの感染に変わって

いる可能性もあるとのこと。

 

 

 

 

 

ワクチンについては、地域や期間を限定して使用することで環境中のウイルス量を

減らして、感染拡大を防ぐ手段として使われます。

ただし同時に、殺処分も併用しなければ、ウイルスの常在化を引き起こすことにも

なります。

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