燃える闘魂で有名だった人気プロレスラーのアントニオ猪木選手が10月1日、亡くなり
ました(享年79歳)
猪木選手は自分よりも体の大きいアンドレ.ザ.ジャイアント(下右写真)やハンセン、
ホーガン、ブロディ、ブッチャーなどと凄まじい戦いを繰り広げました。
一番の魅力は、どんな相手にも怯まないレスリングスタイルだったと思います。
死因は心不全ということですが、アミロイドーシスという難病に侵されていました。
アミロイドーシスとは、アミロイドと呼ばれる繊維状の不溶性タンパク質が様々な
臓器に沈着することで、機能障害を引き起こす病気です。
明確な発症メカニズムは不明で、加齢や遺伝・炎症のほか、腫瘍に関連する場合も
あります。
炎症では結核や関節リウマチからの併発、また長期間の透析などが引き金になる
こともあるそうです。
アミロイドーシスは、全身の臓器に発症する全身性のものと、特定の臓器に発症する
限局性のものがあり、猪木選手は心臓のアミロイドーシスと言われていました。
難病と最期まで戦った猪木選手、ご冥福をお祈りいたします。
アミロイドーシスは、高齢化が進む現代社会では特別な病気ではなく、80歳以上の
10~20%の人には既にアミロイドが溜まっているとも言われています。
認知症の原因の過半数は、脳にアミロイドが沈着するアルツハイマー型ですから。
現在、予防法は確立していませんが、やはり早期診断と早期治療が重要になります。
ところで、アミロイドーシスは人だけの病気ではありません。
身近な動物では、ネコのアミロイドーシスがあります。
ネコでは、アミロイドが腎臓に沈着するタイプと肝臓に沈着するタイプが多く、稀に
すい臓や甲状腺に沈着するタイプも見られます。
ネコではほとんどが、体内で炎症を起こした時(感染症、ウイルス疾患、慢性炎症)
に発症するようです。
中でもアビシニアン(下写真)は、遺伝的にアミロイドの構造に変異があるため、
アミロイドーシスが発症しやすい品種と言われています。
他の遺伝性疾患としては、進行性網膜萎縮があります。