ロシアによるウクライナ侵攻後、100頭以上のイルカが黒海沿岸で海岸に打ち上げ
られて死亡したとのこと。
専門家によると、ロシア軍艦や潜水艦からの低周波が原因である可能性が高いそう
です。
別な専門家は、トルコや黒海沿岸でイルカの異常行動が確認されていることから、
ロシアの侵攻が生態系に恒久的な影響を与えると指摘しています。
黒海では、軍艦や潜水艦が使う水中音波探知機(ソナー)によってイルカの位置情報
が妨害され、イルカが獲物を獲れなくなって飢えたり、パニックになっている可能性
があるとのことです。
イルカは方位の測定や魚を捕食する時、低周波を出すことが知られていおり、特に魚
の捕食の時には、仲間のイルカたちも集まってくるそうです。
ゾウにとっても低周波は重要で、一部の低周波は地震波として土中を伝わり、仲間との
情報交換に役立てています。
地面の振動は足の裏で受け取り、骨を伝って耳に届きます。
3トンのゾウで30Km先まで届くそうですから、何ともすごい能力です。
2004年のスマトラ沖地震では、普段は従順なゾウたちがゾウ使いの言う事を聞かず、
高台に避難して無事でした。
ゾウたちは地震時に発生する低周波をいち早く感じ取り、津波が到達する1時間前には
避難していたのです。
ところで、音の高低を表すヘルツ(Hz)は一秒間に振動する回数(周波数)を表して
おり、数字が大きいほど高い音になります。
人では一般的に20~20,000Hzが聞こえる範囲で、動物ではイヌが50,000Hz、ネコが
100,000Hz、イルカでは150,000Hzまで聞こえるそうです。
また、イヌが出てくる映画やドラマなどでは、しばしば犬笛(下写真)が登場します。
犬笛はイヌのしつけや訓練などに使われるホイッスルの一種で、人には聞こえない
高い音(高周波※)を出すことができます。
※人には聞こえない高周波の音のことを、超音波と言うこともあります。
ただ、音が高すぎると遠くまで届かなかったり、障害物などで音が弱くなったりする
ので、犬笛は16,000~22,000Hzのものが使われるようです。
鳴かない動物として有名なキリンですが、低周波を出している可能性はありそうです。
なお、キリンの鳴き声については私も直に聞いたことはなく、録音されたものを聞いた
ことしかありません。