5月10日~16日までの1週間は愛鳥週間(バードウイーク)でした。
私は今まで、野外でも動物園でも多くの鳥たちを見てきましたが、一番好きな鳥は
何?と問われれば、ヤイロチョウ(八色鳥:下写真)と答えます。
ヤイロチョウは青緑色や黒・白・赤・コバルト色など鮮やかな色彩で、「森の宝石」
とも言われている鳥です。
日本には夏鳥として飛来し繁殖もしますが、繁殖地は限られています。
エサはミミズや昆虫などです。
私は一度だけ、野鳥の会の人たちと霧島山系の御池野鳥の森(下写真)に行った時、
ヤイロチョウを見たことがあります。
一度聴いたら忘れられない特徴的な鳴き声、一度見たら忘れられないその姿に感動
しました。
近年、ヤイロチョウの減少が危惧されていることから、御池野鳥の森でも繁殖期の
一定期間、立ち入り制限なども行っています。
バードウォッチヤーの写真撮影なども問題視されていますから、くれぐれもヤイロ
チョウの繁殖に悪影響を及ぼすことのないよう、お願いしたいものです。
他にも、シカの食害による林床の乾燥化や新燃岳噴火による火山灰のセメント化など
が、エサとなるミミズの生態にも影響を及ぼしています。
そもそもミミズは皮膚呼吸をしているので、土の中でも体がしっとりと濡れている
必要があるのです。
ところで、御池ではヤイロチョウ以外にも多くの鳥を見たはずですが、ほとんど記憶
がありません。
それだけ、ヤイロチョウのインパクトが大きかったということです。
「火の鳥」の異名を持つアカショウビン(下写真)も、代表的な夏鳥です。
以前は初夏になると、自宅近くの山から「キョロロロー」という特徴的な鳴き声が聞
こえていましたが、今では全く聞くことができません。
私たちは気付かない(動物たちにしか分からない)ような環境の劣化が進んで、大事
な子育ての場所としては適さなくなったのでしょう。
寂しい限りです。