今年は寅年です。
トラは現存するネコ科動物の中では最大種で、ロシア極東のほか、アジアの亜寒帯~熱帯
~亜熱帯などに広く分布しています。
生息環境は森林・湿地・サバンナ・高地など多様で、シカやイノシシなどを主食にして
いますが、狩りの成功率は低く10%(10回に1回)ほどと言われています。
基本的にはオス・メス共に単独生活で、母親と子どもは生活を共にします。
トラは幾つかの亜種に分類され、最大種はロシア極東地方やウスリー川流域などに生息
するアムールトラ(下写真)で、他の亜種に比べて毛が長いのが特徴です。
最小種はスマトラトラ(下写真)で、最も南に分布し体色は赤みが強く、ほほの毛が長い
のが特徴です。
ところで先日、栃木県の那須サファリパークで飼育員3名がトラに襲われるという痛ましい
事故が起きました。
那須サファリパークでは以前にも、飼育員がライオンに襲われるという事故が起きている
ことから、飼育管理体制に何らかの基本的な問題?があるのかも知れません。
動物園などでは、個々の動物舎内に事前にエサを準備しておき、展示場から動物を収容
するのが一般的です(エサで入室を促すようなものです)
また収容後は、食欲などいつもと変わった様子はないか、確認します。
前日にトラの収容作業をした飼育員は、収容後の動物舎内での個々の確認を怠り、トラが
まだ通路にいたにも関わらず入室したと思い込み、部屋の入口扉を閉めたものと思われ
ます(前日のエサが、そのまま残っていたそうですから)
あるいは、その日に限ってトラがなかなか自分の部屋に入らなかったため、取り合えず
部屋の扉を開けたまま別の作業に移ってしまい、そのことを忘れた可能性もありますが、
それならエサは食べているはずです。
何らかの理由があるにせよ、トラと飼育員が同じ通路を使うこと自体、考えられません。
動物舎の設計・構造に基本的な問題がありそうです。
それにしても2人の助けがなければ、最初に襲われた女性飼育員は最悪の結果になっていた
と思われますので、3人の回復を願うとともに、助けに行った2人の勇気には拍手を送りた
いと思います。
もし自分なら、助けに行けたかどうか、、、。